SSブログ

忠犬ハチ公の死因の真因 [動物・ペット・虫の話]

リチャード・ギアの主演でハリウッドでも映画化された忠犬ハチ公。
飼い主が亡くなってしまってもなお、いつもお迎えしていた渋谷駅前で主人を
待ち続ける姿は忠犬というよりも、大切な家族を待つ姿そのもので映画の中の
姿を見ていると、とても切ない気持になりました。



そのハチ公の死因なんですが、一般的にはフィラリア症(心臓の中に白い線虫
が増殖し、心臓の中が寄生虫で一杯になって心臓が動かなくなって死ぬ病気)
だったとされていますが、東京大学で保管されている組織標本のホルマリンを
交換する際に、MRIと顕微鏡で標本の組織を観察した結果、本当の原因は肺に
出来た悪性腫瘍だったことが確認されました。


最初に死因を調べたのは、90年近くも前のことですからMRIなんて機械は当然
ありませんでしたし、顕微鏡の精度も現在のような電子顕微鏡なんてない時代
で、精度もかなり低かったと思うので、心臓に異常があるという所見があれば
犬の病気として多かったフィラリアという結論が出たのでしょう。

犬が癌になるということ自体、個人的には子どもの頃には聞いた覚えがなくて
そもそも動物病院もそんなに開業していませんでしたから、そんな時代よりも
さらに40年も前の時代に犬の悪性腫瘍を疑う人はいなかったと思います。

私が小学生の頃は、今では禁忌とされているネギの入った味噌汁かけご飯とか
鶏の骨(縦に裂けるので、そのまま飲み込むと内臓を傷付ける)をごく普通に
犬の餌として与えていた時代なので、犬の寿命も短かったので細胞が変異して
癌が発症する程の高齢犬はあまりいなかったというのもありそうです。

唐突にこんなことを書いているのは、あまり知られていませんがハチ公の命日
が3月8日ということで、ふと思い出したからです。
去年が生誕100周年でイベントもありました。



ところで、私の知人(もしかしたら、同じように思っている人もいるかも)は
上野公園にある西郷さんの銅像の横の犬をハチ公だと思っていました。

渋谷駅前で昭和の時代に死んだハチ公と明治維新のどさくさに起きた西南戦争
で官軍に敗北して自害した西郷隆盛が一緒に銅像になっている、ということに
全く違和感を感じないのも凄いなと思いましたが、時代背景には関係なく有名
な犬と言えばハチ公だと考えるのも無理はないかなとは思いました。

ちなみに西郷さんの横にいる犬は「つん」という名前の柴犬で、実物大のつん
は鹿児島市内の西郷隆盛像の見える場所にありますので、もしも興味があれば
鹿児島市内までお出かけして見てきてください。


nice!(40)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 40

コメント 4

溺愛猫的女人

ハチ公の死因が90年後になって判明したのはすごいですが、東京大学に標本が保管されていたことにも驚きです。大切にされていたのですね(*^^*)
by 溺愛猫的女人 (2024-03-09 12:17) 

suzuran

溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。

ハチ公が亡くなった時、当時の新聞は各紙で取り上げたほどでしたから
有名犬の標本ということで、保管したのでしょうね。
ちなみに、剥製は東京国立科学博物館に展示されていますから、死後に
標本を採取した後で、剥製として処理されたのでしょうが、それを飼い主
が望んだかは微妙ですね。

亡くなったままの姿で、葬って欲しかったかもしれません。
by suzuran (2024-03-09 23:00) 

そらへい

「HACHI 約束の犬」見てみたいですね。
by そらへい (2024-03-11 20:04) 

suzuran

そらへいさん:
コメントありがとうございます。

リチャード・ギアのハチがヘイチにしか聞こえませんが、映画自体は
淡々と描かれていて、ドラマティックな部分はありませんでしたが
落ち着いて見られる映画でした。
by suzuran (2024-03-11 20:54) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント






Copyright (c) 2013-2021 suzuran All right reserved