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愛情表現(性愛)を遠ざける性交痛 [健康・医療]

日本人の特性として「性の話題」は人前ですることではない、という昔からの
悪しき伝統と、性教育の問題(一次性徴、二次性徴について必要なことのみを
事務的に教えるのみで、女性の体の性的な発達について詳しく教えない)から
情報不足があり、さらに性の知識を悪しきもの、と思わせてしまう日本社会の
構造的な問題によって、あまり社会問題として話題に上がりませんが、30代の
後半から40代前半ぐらいの頃から気になり始めたという女性が増えていくのが
性交痛という症状。文字通りにセックスの際に膣に痛みを感じる症状です。

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産婦人科関係機関の調査によれば、セックスの時に痛みを感じるという女性は
各種アンケートの結果を分析すると全ての女性の年代で三分の一ほどの割合で
セックスの時や前戯で痛みを感じるという結果が出ています。


もう少し年齢層を絞り込むと、前述したように30代の後半ぐらいから半数程度
の女性がセックス時の痛みが気になり始めるということになっているのですが
その原因は、加齢と共に卵巣の活動が低調になっていくため、女性ホルモンの
分泌量が減ることによって、膣内へのペニスの挿入時や、その前段階の前戯の
時点で膣口や膣内が濡れにくくなるために、摩擦によって強い痛みを感じると
いうことの他、体質的に濡れ難い女性が、濡れていない状態で敏感な粘膜部分
を触れられるために痛みが先行してしまい、痛みを感じることによりに余計に
濡れないという悪循環でセックスの時にも痛みを感じてしまうわけです。

そういう年齢的な要因以外にも、まだ卵巣が正常に機能している、若い世代で
あっても、セックスをする相手に対しての嫌悪感や、本人の望まないセックス
であれば女性器が濡れることがありません(精神的な影響は大きいようです)
から、年齢面だけの問題ではなく愛されている、愛しているという情愛の部分
も非常に関係しているとされているのが性交痛の主要因です。

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前戯の際に濡れないからとペニスや膣口に唾液を付けて挿入しようとする男性
がいるようですが、指に唾液を付けて多少滑りを良くした上で、鼻の穴に指を
入れられることを想像したら、それがいかに気分を害することかがわかるかと
思いますので、AVの中で男優がしているというだけの理由で真似はするのは
少なくとも自分の体の一部を、女性の体内に挿入する行為において、やっては
いけないことだという認識は持つべきです。

生理(初潮)の開始年齢が早かった人ほど、生理が止まる(閉経)のも早いと
いうのが、原則的には正しいようで、女性の性成熟年齢が早まっている現在の
女性の場合だと、40代の前半で閉経する人も出てきている、という環境なので
30代後半から50代ぐらいまでに更年期になる人が出てくるのが一般的です。

産婦人科医で女性ホルモンを処方してもらうことで、更年期自体の症状は軽快
することが多いようですが、セックスの面でも濡れにくい体質の人は女性器の
保護にも繋がることですから、女性ホルモンを使った方が良いとも言えますが
罹り付けの産婦人科医に相談するのがベストでしょう。

セックスレスが話題になることも多いのですが、性交痛を一言で表わすと膣口
に焼け火箸を入れられているような痛みだという証言が、ネット上の悩み相談
でも書かれていますので、本来ならば快感を感じるはずのセックスが、激しい
痛みとの格闘になるようならば、セックスレスになるのも無理はないです。

愛液が分泌されない膣口はカサカサとした表面になり、冬の時期に乾燥により
唇が切れた経験のある人ならわかると思いますが、膣も唇と同じ粘膜ですから
感覚的にはよく似ていると考えて良いですし、クリトリスのように神経の集中
した部分がありますから、乾燥して突っ張るような感じになれば、その痛みは
男性でもある程度は想像できるかと思います。

セックスであれば、ペニスを膣内に挿入するわけですから、挿入だけでも痛み
を感じている中で前後に擦られたりすれば、相当な痛みですよね。
そんな状態で男性が、久し振りにセックスをしたら締まりが良くなったなんて
感想を言えば夫婦間の溝は深まるばかりということになります。

性交痛は恥ずかしがっていたり、女性が自分自身を責めることでは絶対に改善
されることではありません。夫婦やセックスパートナーとの誤解のない関係を
築くことがまず基本ですから、そこから始めることが必要です。



セックスしようとしたら女性が怒って相手をしてくれないという話も割とよく
聞く話なんですが、セックスレスの理由が性交痛という女性も少なくはないと
いうことを理解して、痛みを抑えるためのローションを上手く使って、女性器
特に敏感なクリトリスに触れる愛撫や膣内のGスポットを丁寧に前戯すること
によって、女性の気持ちと体を優しく扱うことが大切です。

セックスをした後で、すぐに体を離すのではなく、快感の余韻が残った状態で
キスをしたり抱き合ったりすることで、健康面でも美容面でも良い影響がある
されていますから、敏感な部分を大切に慈しむように愛撫をすることで性交痛
は克服できる症状ですから、加齢よりも大きな問題はデリケートなのは女性器
だけでなく、女性の気持ちも同じようにナイーブですから、大切にしなければ
ならないことに気付いていない男性が多いことかも知れません。

次回では、いわゆる膣トレ(膣のコンディションを整えるトレーニング)の話
そして、性機能に限らず使わないことで劣化する廃用性萎縮の話を書きます。


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