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ロシアの闇・ディアトロフ峠事件 [海外の話題]

1959年ですから、今から60年ちょっと前の話ですが、旧ソ連のウラル山脈で
経験豊かな登山者グループが、原因不明の出来事によって一行9人全員が山の
斜面で遺体になって発見されるという事件があり、遺体の状況などから謎の死
を遂げた怪死事件として、多くの仮説が立てられていますが、まだ真相解明は
出来ていないという現代のミステリーになっています。



事件の生存者も目撃者もいないため、状況からの推定によれば山の斜面で野営
した一行は夜中になんらかのトラブル、またはアクシデントによってテントを
切り裂いて脱出し、斜面を1キロ以上降りた森を目指して逃げたものの途中で
力尽きて、雪深い斜面に散乱する遺体となって発見されました。


発見された遺体は変色していたり、眼球が無かったり、内臓が損傷していたも
外傷が無い遺体があり、一人の遺体からは高レベルの放射線が検出され、一人
の女性の遺体には舌が無かったために、刑事事件として捜査が行われましたが
生存者がいないため詳細な状況が分からず、捜査は打ち切りになり、ロシアの
ミステリーとして現在に至るということになっています。


ロシア語の解説動画は無数にあります。

ヒマラヤの山岳地帯に棲むとされるイエティ(雪男)などの未確認生物による
襲撃説や秘密の核兵器実験に巻き込まれた説、ロケットの残骸の落下、さらに
グループ内でなんらかの抗争(外部から心理的な力で操られた)が起きた説も
ある他、宇宙人に襲われたという見方もあるみたいです。

約60年を経た調査により、テントを張るために雪の斜面を削ったことが主因で
その後の強風によって雪が堆積して崩れやすい状態になったことなどの複数の
要因が重なったことで、テントを巻き込んだ雪崩が発生し、テントの中にいた
9人がマイナス25℃の外界に放り出されたことで、9人の運命は決まったとの
見解が発表されました。

雪崩が上から落ちてきたのではなく、テントの中に寝ている状態で下に落ちた
という状況であった可能性が高く、そのような状況の外傷をシミュレーション
すると検視報告と一致することも確認されたため登山グループの大半は雪崩が
原因で死亡し、死因は低体温であったと結論付けられました。

車に衝突したり、壁にぶつかるなど、固いものと衝突すると外傷が出来ますが
新雪のような柔らかいものと一緒に落下すると、外傷は出来ないものの内臓が
圧迫されて損傷したり、折れた肋骨が刺さって死に至ることがあるでしょうし
落下のショックで舌を噛み切ったとか、眼球が飛び出したということも説明が
つかないことではないので、斜面を落下した設定と整合性があります。

放射能が検出されたという点だけは説明がありませんが、60年前の調査の際に
どのような形で放射線が検知されたのかがわからないので、もしかしたら誤り
があるのかも知れないですね。

60年前の目撃者のいない謎の死をコンピュータの解析などによって死因までを
後追いできる技術の進歩はすごいと思いますが、それだけの解析技術と分析力
がありながら殺人事件の犯人がすぐに割り出せない、という限界もあるわけで
世の中、なんでもサクサク解決できるわけではないのが残念ですよね。


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