チツトレ【どうして膣トレ？】

何年ぐらい前からでしょうね、膣圧トレーニングを略して「チツトレ」という
言葉が割と普通に使われるようになりました。

昔もそれに類する言葉はありましたが、あくまでも男目線で「膣圧」を高めて
セックス時に膣口を締めて男性の快感を高めるという意味合いが強く、膣内に
ゴムのボールを入れて、そのボールに重りを付けて膣口を締めて重りを下げて
膣口（膣口と肛門は筋肉が連動しているので、肛門をキュッと締めると膣口も
絞めつけられて鍛えられる）を締めるトレーニングなんてのがありました。



今はどうか知りませんが、私世代の女性が子供を産むと出産で緩んだ膣の機能
を蘇らせるための膣のトレーニングなんてのもあって、産婦人科でテキストを
もらってきたこともありました。今ではあまりそういう話は出ませんが、夫婦
の間でセックスは重要なコミュニケーションと考えられていた時代でしたから
産婦人科の医師が会陰切開（出産時に会陰が裂けると、傷跡が治りにくいので
予め、メスで会陰を切る処置）をして出産後に会陰を縫合する際に、旦那さん
が喜ぶように少し小さめに縫いますね、なんて話もあったようです。

今ではそんな時代でもないので、女性（妻）は男性（夫）の性欲を満たすため
にセックスをする相手だというような表現をする産婦人科医はいないだろうな
と思いますが、膣の健康を保つという意味でのチツトレを推奨する産婦人科医
は男性の産婦人科医よりも、女性の産婦人科医の方が多いぐらいです。



以前のように男性が挿入した時の快感を高めるという目的（セックスの快感を
追求するという目的もありますが、男性のためにではなく、女性自身の健康と
快感、大袈裟な表現をすると、女性として人生を生きる上で大切な複数の要素
を高める効果があるということで、女性産婦人科医が推奨していますね。



チツトレ（膣圧トレーニング）って、要するになんのためにするのという話に
なるわけですが、一つ目は男性と女性が共にセックスの満足感が高まるという
ことがあり、単純に言うと骨盤底筋を鍛えることで、セックスの時にお互いの
性器がピタッと付く密着感が得られて、快感が高まることと、男性は女性の中
に入っている感覚、女性は体の中に男性を受け入れている感触が強く伝わって
お互いが一つになって気持ちも伝わっている感覚が得られます。

二つ目に骨盤底筋を鍛えて引き上げることで腹横筋や背骨を支える筋肉である
多裂筋、腹式呼吸に重要な横隔膜など、いわゆるインナーマッスルが鍛えられ
加齢による体調不良、筋肉痛を予防すると同時にダイエット効果も期待できる
他にも、下半身に荷重がかかり気味の内臓がインナーマッスルを鍛えることで
本来あるべき場所に収まるために、体内の血流や内臓にかかる負担が軽減され
肌艶にも影響が出るようになります。

三つ目に40代からの女性の中で３人に１人の割合で気になっている、とされる
症状である軽い尿モレを改善する効果があります。

ここまでで、かなり話が長くなってしまいました。
もっとサクッと書くつもりでしたが、説明を丁寧にしようとするとどうしても
長文になってしまうので、今回はここまでにして具体的な膣圧トレーニングの
話は次回に持ち越すようにさせていただきます。

タグ：インナーマッスル 骨盤底筋 チツトレ 産婦人科医 膣口