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初めての岩手県・遠野で民話体験 -10 [トラベル]

鬼の館の話を続ける前に、どうして北上市で鬼の博物館なのか?ということを
思ったわけですが、北上市には「鬼剣舞」という郷土芸能が700年とも800年
とも言われる時代から伝えられてきましたということで、北上市では古くから
鬼を邪悪な存在とは考えられていないようです。

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修験行者が念仏を広めるために、念仏を唱えながら勇壮に踊ったのが始まりで
鬼の面をつけて踊るために鬼剣舞と呼ばれ、その鬼剣舞を誇りに思う気持ちが
「あの高嶺 鬼すむ誇り」という市民憲章に表され、市民の理想、願い、祈り
を表現しているのだそうで、鬼は先覚者を表しているので、北上市にとっては
鬼は市民の誇りの象徴のような存在のようです。
そこで「鬼の館」ということになるわけですね。


館内には日本各地の鬼の面が展示されているだけでなく、海外の鬼の面もあり
興味のある人なら、半日以上居られそうな感じでした。

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国内のお寺に所蔵されている鬼の面は木彫りとか、動物の皮をが使ったものが
多いように感じていますが、福井県の吉崎御坊で見た肉付きの面(鬼女の面)
も木彫りだったような気がします。

この話は、嫁虐めをした婆さんに天罰が当たる話で、吉崎御坊にある願慶寺と
いうお寺に行くと、嫁おどし肉付きの面の話を聞いた後で、顔から外すことが
出来なくなった伝えられる鬼女の面を見せてもらえます。
興味のある方は福井県に行かれることがあればお立ち寄りください。
ということで、鬼続きとはいえ話が逸れましたね。

国内の鬼の後には、海外の鬼が展示されていて、中にはちょっとドッキリする
展示もあるので、退屈はしないと思います。

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最後は東北地方の鬼が関係する行事に登場する鬼です。
毘沙門天も鬼の仲間になっていました。

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三陸町のスネカという鬼は大きな包丁を持っていて、鬼というよりは物盗りが
変装した姿にしか見えません。

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虫送り人形という、わら細工の鬼も展示してありました。
角があるので鬼のようではありますが、股間にそびえたつ立派なモノ
その下には二つのタマタマもあって、コンセイサマに通じるものがあります。

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金精様の元々の由来は巨根伝説のある僧侶、道鏡が女性天皇の孝謙天皇をその
巨根によって支配しようとしたものの、結果として天皇になることは出来ずに
下野の国(栃木県)へと左遷された際に、峠越えの邪魔になるほど股間のモノ
が重かったために自ら切り落としてしまったとされ、それが金精様の始まりと
されているということで、道祖神の股間のモノは大きいというのが、日本各地
に伝わったとされているようです。

ということで、遠野でも北上でも金精様は偉大な神様(鬼)としてお祭りでは
重要な役割を持っているようです。ということで鬼の館の話は終わりです。

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民話や伝承を探訪していくと、やはり五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全が根底に
あり、その象徴として男性器や女性器を道祖神として崇めることに至るわけで
それは産めよ増やせよ地に満ちよ、のキリスト教の宗教観ともリンクしている
ような気がします。どこの国でも同じような感じなんじゃないのかな。

この後、北上駅へと向かい、レンタカーを返して息子が、もっとも待ち望んで
いた「わんこそば」に挑戦するために盛岡へと向かったのでした。


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コメント 4

lamer75

素晴らしいですね。
ユニークな創作で満ち溢れていますね。
想像力旺盛です。
by lamer75 (2023-06-24 22:08) 

suzuran

lamer75さん:
コメントありがとうございます。

鬼の仮面が割と隙間なく飾り付けられている感じなので、全体としての
迫力はありますが、一つずつ丁寧に見ていくには、ちょっと見辛い展示
かなという感じでした。
by suzuran (2023-06-25 01:29) 

kousaku

開いた瞬間にいきなりお面があらわれて驚きましたが色んなお面が有るんですね、ユニークなものも有りますがそれなりの話が隠されているんですね。
by kousaku (2023-06-25 19:43) 

suzuran

kousakuさん:
コメントありがとうございます。

時間があれば、もっと丁寧に一つずつ写真に撮りたかったのですが
移動時間に追われて、ゆっくり見られなかったのが残念です。

ホントは一つずつ、もっと説明も読みたかったんですがスタートの
アクシデントがなければって感じです。済んだことは仕方ないので
縁があれば次の機会があると思います。

by suzuran (2023-06-25 23:55) 

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