飢餓…そして子供は食べられた

人が人を食べる…例え、どんなに飢えたとしても人間を食べるぐらいなら死ぬ
ことを選ぶと大多数の人は考えると思いますが、それは実際に死ぬほどの空腹
飢餓状態を経験していないからこそ、そのように模範的というか、人としての
常識を持った回答をすることが出来るのかも知れません。



英国人がアメリカ大陸に大きな希望を求めて移住し、荒野を開拓しようとした
1609年から10年の間の冬に起きた飢饉によって、移住者の中の八割が犠牲者
となったジェームズタウンという町で、亡くなった14歳の少女から脳や顔の肉
を切り取って食べたと見られる刃物による傷のある頭蓋骨が発掘されたことで
厳しい生活環境に移住したものの食料のない過酷な環境の中で、住民は人間を
食べるしかない極限状態に追い込まれていた、という100年以上前からの仮説
が証明されるということがありました。

1607年に開拓地として選定されたされたジョージタウンは、100人の移住者が
土地に住み着いて開拓が始まりましたが、疫病と飢饉によって最初の9カ月間
で62人が命を落とし、38人だけが生き残ったと記録され、食料不足の住民たち
は英国から到着する補給船の物資のみが命綱という生活を余儀なくされたため
何もかも尽き果てた暁には、同じ町の住人を食べることで生き延びる選択しか
残されていなかったはずだという説に対して、人間はもっと尊厳を大切にする
生き物であり、仲間を食べるようなことはしないという説を唱える人と議論が
続いていたようですが、刃物で顔の肉をえぐり取られた少女の遺骨が発掘され
良識派の意見は否定されました。



現代でも飛行機の墜落現場で生き残った人たちが、仲間の遺体を干し肉にして
救援隊の助けを待つ間の食料にして細々と生き延びたとか、探求心を満たすと
いう目的で、秘境の地に迷い込んだ人が同行者を食べて生き延びたという話は
映画になったりもしているので、それよりも何世紀も前の時代に人間が人間を
食べたということがあっても否定する理由がありません。

何年か前に、パプアニューギニアで人類史の研究者をしていた女性が地元の男
たちに集団強姦される事件が発生し、現地の治安状況が発表されました。

昔からのしきたりを守る地元の部族の間では、争いがあると相手の首を切断し
持ち帰るという事件が増えているという話があり、元々、パプアニューギニア
には首狩り族と呼ばれる部落があり、部族間で闘争が発生した場合は相手の首
を切り落として頭蓋骨を抜き、首の皮を干して干し首を作り、それをいくつも
繋いで首から下げて支配者であることをアピールする風習があったという記録
があると共に、部族の男と接触した女性は子孫を残すため（経験的に近親姦は
遺伝が強く出て子孫が残せないことを知っていた）に存在するものであり子孫
を作るための行為をするのに同意が必要だとはされていないため、女性が単身
で（この時は男性カメラマンも一緒でしたが、男性は首を切り落とされて死亡
したため女性のみが残りました）存在したために子供を作るための行為が強要
されたということになります。

もちろん、それを肯定して伝統文化だと正当化するのは無理があります。
しかし、人類が着衣を着て、個人の人権を守るために法律を作り、暴行や殺人
を罪悪であると規定したのはほんの数百年前に過ぎませんから、近代文明から
閉ざされた場所で生活する人の中には人が人を食べることに罪悪感を持たない
ということがあっても不思議ではないでしょう。

人が人を食べるということが禁忌であるとされても、人類のDNAの中に飢餓に
陥った時には、人を食べてでも生き残れという命令を下す、秘められた本能が
必ず残っていると考えるのが適切なのではないかと思います。



日本においても室町時代や江戸時代に飢饉のときには、亡くなった人を食べて
飢えをしのいだという記述はいくつも残されていますし、食べ物がない状態に
陥った時には、経済格差があるような状況で、どんな悲惨なことが起きたのか
を伝承する「赤いまんま」という昔話があります。

この「赤いまんま」という話は、読むと思いっきり後味の悪い話で、しばらく
立ち直れないぐらい嫌な話なのでお勧めはしません。

食料がないという状況は、現在の日本ではあまり考えられない話ですが、親が
失業したり、ネグレクト（育児放棄）によって、実際に食べられない子は相当
いると思って差し支えは無いと思います。

特にコロナ禍で仕事がないとか、そんな状況で本来であれば政府による公助が
有効になるはずですが、ボンクラで世間知らずの公家のような岸田総理大臣が
腑抜けのような対応をしているので、民間の有志が子ども食堂を開いていると
いう状況であり、現代日本が江戸時代よりも前の状況になりかねません。

食糧難になって最初に苦労するのが子供なんていう世の中が正常なはずはない
ということで、特に行政の不手際による現状は何としてでも変えるべきです。

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