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温暖化で日本近海に危険な魚 [地球環境・自然・宇宙]

国際社会では地球温暖化は深刻な問題として対策が進められていますが、日本
の政治家や企業経営者は、「セクシー」や「クール」な発言により自らの知性
のレベルの限界を露呈した、小泉進次郎に代表されるように「今だけ、金だけ
自分だけ」のロクデナシばかりのために、地球温暖化自体がデマだと拡散する
反知性主義者が持て囃される国になっています。



それはそれで、ある種の国民性であり勝手にすれば良い話であって、天動説を
唱えたければ唱えていれば良いだけですが、日本近海では今までの海水温なら
日本近海には近付いてこないはずの「ソウシハギ」というカワハギの仲間の魚
か太平洋沿岸や瀬戸内海で網にかかるようになっている現状があります。


ソウシハギは猛毒として知られるフグ毒(テトロドトキシン)の最大70倍の毒
を持っていて、間違えて食べたら確実に死んでしまうレベルの強さなんですが
毒の種類は「パリトキシン」という毒で、渦鞭毛藻類(植物性プランクトン)
が持つ毒なんですが、このプランクトンを食べる海の生物をさらに食べる魚の
内臓に食物連鎖によって蓄積するために魚が持っている毒になります。

日本近海に生息するアオブダイやハコフグも、この毒を持っていることがあり
アオブダイの内臓を煮付けにして食べた人が亡くなるという例もありましたし
過去50年間で患者が121人、その中から死者7人という記録もあります。

フグのテトロドトキシンが猛毒なのは「ふぐは食いたし、命は惜しい」という
言葉も残っているぐらいで、昔から認識されていましたがパリトキシンの場合
フグほどには味が評価されている魚ではないことや、魚の内臓を食べるという
習慣はあまりないためにそんなに知られた存在ではありませんでした。

実際のところ、パリトキシンは海産物最強の毒素とされていて、アオブダイや
ソウシハギの好むイソギンチャクが植物性プランクトンを吸い込んで食べた後
アオブダイなどが食べるため、毒素が濃縮された状態で内臓に蓄積していると
いうことで、アオブダイなどが危険ということになります。

一般にはアオブダイやハコフグは食べませんが、ソウシハギはウマヅラハギに
似ているために、これから最盛期になる鍋物商材として、カワハギよりも手軽
に調達できるウマヅラハギと間違えて調理される可能性が高いです。

カワハギやウマヅラハギは肝が美味しいと魚好きな人は言いますよね。
一番の問題としてアオブダイやハコフグの内臓を食べる人はあまりいませんが
ハギの場合は、肝臓(もっとも毒素が濃縮されている部位)が好まれるために
リスクが高くなっていて、元々は暖かい海を好むソウシハギが海水温の上昇で
日本近海で増えているのが危険なんです。

umazura.jpg
ウマヅラハギ

soushi.jpg
ソウシハギ

並べると間違えるわけがないという感じですが、ソウシハギだけが単体で市場
で売られていたり、釣れたりしたら比較できないのでわかりません。

フグの場合、毒によって神経の信号が遮断されてしまうのが死因になります。
脳からの微弱な電気信号が各臓器や手足に行かなくなるために呼吸不全になり
心臓が仕事を投げ出してしまうので亡くなるわけです。

それに対して、ソウシハギなどのパリトキシンの場合は逆に神経信号が過剰に
受け入れられてしまい横紋筋融解症という症状が出て、激しい筋肉痛が主症状
になり、フグ毒では感じられない痛みが激しく強く続きます。
その後は呼吸困難、歩行困難が出て全身が麻痺、けいれんを起こしてそのまま
死に至る場合があり、腎臓が傷めつけられるとミオグロビン尿症になり黒褐色
の尿が出るようになります。

海水温の高め安定は海の世界を大きく変えてしまっていますが、このまま収束
に向かうとも思えませんので、カワハギやウマヅラハギを食べる場合、肝臓は
フグと同じく避けた方が安全です。



食用ではありませんが、噛むとテトロドトキシンを注入するヒョウモンダコも
海水温が高くなっているために太平洋側のみならず日本海でも見られるように
なってきています。小さなタコですが、人に致命傷を負わせるだけの毒の量は
持っていますので一般的な食用のマダコ以外は触らないことが賢明です。


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