元N.S.Pの中村貴之さんが死去

今の若い世代の人には「全く意味不明」な言葉かも知れないな、と思いつつも
中村貴之さんが所属していたグループ「N.S.P」は、叙情派フォークと呼ばれ
よく言えば草の匂いがするような歌でしたが、ネガティブな表現をすると暗い
と言うか、聴いていて寂しくなるような歌でしたが、そこが日本人の琴線には
響くわけで、バンド形態になる前の「オフコース」もデビューからしばらくは
そんな感じの曲が多かったように思います。



今だったら多分、主流になるような曲調ではありませんが、私が高校生の頃は
「N.S.P」とか「ふきのとう」とか、スカイラインの歌を歌っていた「バズ」
なんかもそんな感じの作品が多かったです。「雅夢」もいましたね。

「N.S.P」というグループ名は、オランダのロックバンド「Shocking Blue」
にインスパイアされてつけた「New Sadistic Pink」というグループ名を短縮
したもので、地方回りをしていた頃に、ニューサディスティックピンクショー
と大きな看板を出したコンサート会場に、スケベ顔のおっさんばかりが入って
行くのを見て、どうして中高年男性に人気があるんだろうと、一人のおっさん
に尋ねたところ、新しいサディスティックなストリップショーだと思ったから
と言う話を聞いて短縮することを決めた、と音楽評論家の富沢一誠氏の著書に
書いてありました。



ちなみに「Shocking Blue」は、長山洋子さんが歌った「ヴィーナス」の原曲
を歌っていたグループです。「Venus」は日本語訳された海外の歌なんです。

「N.S.P」のリーダーは故・天野滋さん。
大腸がんで余命宣告を受けた後も活動を続けましたが、52歳の若さで脳内出血
のため亡くなりました。



天野さんが亡くなった後には、中村貴之さんと平賀和人さん、元ふきのとうの
細坪基佳さんの三人でスリーハンサムズとして活動していましたが、これから
は、ツーハンサムズとして活動するのでしょうか？というところですがファン
の人たちは続けて欲しいでしょうね。



高校の頃の同級生の女子が中村貴之さんが好きでしたが、肺がんで亡くなって
しまった今、どこでその訃報を聞いて、昔を懐かしんでいるんだろう、なんて
ことを思ってしまいました。歌を聴くと数々の思い出が蘇ってくる世代の歌手
の人たちが、これから旅立ってしまうことを思うと、それは自然の成り行きで
順番があるんだよと思いながらも、それは寂しいことだなと思います。



そんなことを考えなければならない年になったんだな、と年齢を実感します。

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