SSブログ

開発が進む超音速機Overture [飛行機・鉄道・自動車]

アメリカのBoom Supersonicという日本航空も出資している航空機製造会社
が開発している超音速旅客機「Overture」という飛行機があります。



まだ実際に飛んでいるわけではなく、鋭意開発中という状況ですが、完成後は
マッハ1.7(音速の1.7倍なので、時速すると約1800キロぐらい)で飛行する
ことが出来る超音速旅客機で、50機の契約をしたユナイテッド航空の計画では
ニューヨーク~ロンドン、ニューヨーク~フランクフルト、サンフランシスコ
~東京の三路線を考えているみたいです。


サンフランシスコと東京の間は、距離にして約9000キロぐらいですが、離陸時
と着陸時は当然、音速では飛べないので5時間で結ぶことは無理で、想定上は
6時間で二都市の間を結ぶことを想定しています。



現在の使用機材はB787ドリームライナーなので、巡航速度は約850キロぐらい
ですから、二倍ぐらいの速度で二都市間を結べることになるわけですが、搭乗
可能な乗客数はB787よりも少ないので、1970年代に開発された超音速旅客機
のパイオニアであるコンコルドと同じように、全席ファーストクラスの富裕層
専用機になることは間違いないように思います。

ユナイテッド航空は導入に当たり条件を出していて、安全性の確保はもちろん
100%持続可能な燃料での運航という条項もあるので、化石燃料である石油を
原料としたジェット燃料を使わずに太平洋を超えられる性能が必要です。

ということで、ボーイング社やエアバス社などの技術を導入しなくても超音速
旅客機を飛ばせるという自社の開発力に相当の自信を持っているのでしょう。

日本航空も20機の優先発注権を取得して「Overture」に出資しているぐらい
なので、一定の需要はあるようで、まだ一度も超音速で飛んだ実績がないのに
正式発注、オプションも含めると70機の予約を受けているみたいです。

コンコルドが失敗したのは、超音速で飛ぶために高出力のエンジンを搭載して
いるために燃料消費量が著しく多いということで、乗客の人数を減らして機体
の重量を減らしても、最大で大西洋横断をするぐらいしか航続距離がなかった
ということで商業非行に適した機体ではありませんでした。



燃料費が膨大にかかる割に航続距離は短く、最大でも100人程しか乗客を搭乗
させられなかったために、航空運賃もファーストクラス料金にプラスアルファ
が必要なコンコルド専用運賃ということで、ビジネス客のリピート需要は全く
期待できなくなり、超音速を体験してみたいというマニアックな人にしか支持
を得られなかったことで、世界の航空会社からのキャンセルが相次ぎ、実際に
運航したのは、開発・製造した英国の英国航空と、フランスのエールフランス
のみということで数機の製造で打ち切られました。

「Overture」がどんなエンジンを使い、どんな方法で100%持続可能な燃料を
調達するのかはわかりませんが、コンコルドと同じ失敗をするようなバカげた
ことはしないと思うので、2025年のロールアウト、2026年の初飛行が楽しみ
というか、本当に2029年に運行開始が出来るのかを見て行きたいです。

コンコルドのニューヨーク~パリの料金が100万円でしたが、21世紀の最新の
テクノロジーで飛ばしたら、航空運賃はいくらになるんでしょうね
※ 簡単に東京~サンフランシスコに乗れるほど安くは無いでしょうけどね。


nice!(41)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 41

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント






Copyright (c) 2013-2021 suzuran All right reserved