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映画「星守る犬」の話 [シネマクラブ]

大人が泣ける感動のストーリーという前評判で映画館まで観に行きました
が、感動できる映画ではありませんでした。

映画の宣伝用のキャッチフレーズは「望みつづけるその先に、きっと希望
があると思う」ということですが、映画が進むにつれてドンドン夢も希望
もなくなって暗い気持ちになってしまい、救いのない内容でした。

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星守る犬という言葉の意味は、どんなに念じても叶わないのに願い続ける
人という意味があると映画の中で説明していましたが、西田敏行さんが犬
と一緒に移動した道中は、決して「希望に向かう旅」ではなくて「破滅に
向かう彷徨」であったわけで、望みつづけるその望みとは一体何だろうと
ずっと映画を見ながら考えていました。




真面目に働いていた会社を簡単に解雇されるという姿に、現代の問題点を
投影しているつもりかも知れませんが、突然の解雇通告など法律の上では
無効であるわけで、無知な経営者がこの映画を見て、余剰人員はポンポン
と肩を叩けば辞めさせられるなんて考えたら逆効果です。

心臓に持病があり、仕事を失った夫に対して一方的に離婚届けへの押印を
迫る妻の姿も唐突な印象がありますし、あなたを支える気にならないのと
離婚の理由を述べるくだりも妻の一方的な感情の発露であって、再就職も
ままならない夫を捨てて実家に帰りますから、と言うのには全く共感する
ことはできませんでした。

原作では財産分与を要求して家を売ってトコトン財産を持って行くという
設定ですが、さすがに映画ではその背景はカットされています。

死出の旅路で出会う人達はいちように貧乏臭く、生活に疲れている様子が
描かれていて、普通に生きていくことの難しさを表現しているようですが
知人の借金の保証人になって店を取り上げられてしまう商店主とか虐待を
受けていると思われる少年が、万引きをしようとするところを西田さんの
機転によって救われたにも関わらず、財布から有り金全部を抜いて消える
とか、随所に救いがなさ過ぎて夢も希望もありゃしません。

途中で一緒に旅するハッピーをレストランのオーナーに託そうとしますが
ワンワンと鳴き続けるハッピーを連れて死に場所を求めて旅を続けます。

そしてキャンプ場の熊笹の中に車で突入し、鍵を捨て免許証を焼いて身分
が分かるものを全て消して、ひとりで死ぬことを決意しますが最期の時を
迎えて、死の恐怖をハッピーに語りながら結局、命が潰えるわけです。

西田さんが死んで半年後、身元不明者の白骨死体が車の中から発見されて
寄り添うように死んでいたハッピーが発見されて、映画の冒頭のシーンと
繋がり、悲しい物語はおしまいになります。

ということですが、どうして生活保護などの行政の助けを求めないのか、
映画の中の台詞で「公務員のように税金で食ってるんじゃないんだよ」と
リサイクルショップのおかみさんが怒っていますが、公務員を悪く言って
気が済んでも、そこから先には一歩も進めません。

映画とは関係ありませんが、とにかく公務員は優遇されているとか逆差別
に該当するような表現は私は好きではありません。

市民サービスのために税金を徴収しているわけですから市民はごく普通に
行政サービスを受ければ良いわけで、公務員が偉そうにしているなんて話
は現代では、ほとんどないことだと個人的には感じています。

映画の話に戻りますが、とにかく何もかも一人で考えて誰の助けを借りる
こともなく犬と一緒に彷徨い続けて犬を道連れに死んでいくという映画で
映画が終わった後の「明日に繋がる明るい気持ち」が全くありません。

ただ、家族に見捨てられて死んでいく悲しい姿を見て、可哀想と泣きたい
人はともかくとして、希望を持って生きていく元気が欲しいと思う人には
全くお勧めできない映画だと思いました。

人生はそんなに四面楚歌なばかりではないと語って欲しかったです。


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