飛行機の話・B-727

二度目に乗った飛行機は福岡に行った帰りに熊本から名古屋まで飛んだ全日空
の便で、当時の名古屋空港発着便の主力機だったB-727でした。



翼の下に吊り下げられているエンジンではなく尾翼の周囲に三発のエンジンが
配置され、一般的な尾翼ではなくT型尾翼と呼ばれている構造です。
全日空の幹線用としてトライスターの導入が進み、東京からも大阪からも半端
な距離にある名古屋はB-727とB-737がメイン機種でした。
この頃は名古屋から八丈島や南紀白浜の路線もありました。

日本赤軍によるハイジャック事件が発生したのはB-727でしたが日本航空では
機体にそれぞれに愛称がついていたので、よど号事件として知られています。



B-727でも初期型（胴体の短い）B-727-100型機だったので今のワイドボディ
の期待を見慣れた人にとっては小さな飛行機ですが、北朝鮮へ飛べと言われて
韓国の金浦空港に降りたものの犯人に見破られて結局、北朝鮮まで飛んだ末に
犯人グループは北朝鮮に亡命するという映画みたいな話でしたが、着陸を指定
された空港が未舗装の滑走路で着陸した衝撃で機体が壊れたらお終いだな、と
覚悟して着陸したと当時の機長の手記を読んで、パイロットはこれだけ冷静に
オペレーションをしているんだなと感心した覚えがあります。

という話ではなくて自分が乗ったのはB-727-200という胴体を伸ばしたタイプ
だったのですが、岩手県上空で自衛隊機と衝突した雫石事故とか、落ちやすい
飛行機というイメージがあって、ちょっと緊張して乗りました。



現在のB-737シリーズに継承されているのと同じく、通路を挟んで3-3配列の
178人乗りの飛行機でしたが、特に激しく揺れることもなく快適でした。
B-727-200は、このフライトから数年後に名古屋から沖縄の往復で乗ったのが
最後になって合計3回乗りましたが特に怖い目には遭っていません。

今は買わなくなりましたが、以前は月刊エアラインという旅客機の雑誌を毎月
発売日に買って読んでいたので無駄な知識はそれなりにあるんですが、飛行機
は国土交通省に登録しないと飛ばせないので、毎月新規登録された飛行機とか
退役して登録を解除して転売された情報に興味がありました。

日本で飛んでいた飛行機が海外で第二の活躍をしていることも、ご存知の方は
多いかと思いますが、ボーイング社製の飛行機の場合は日本で登録されていた
飛行機であることは簡単にわかります。

ボーイング社はカスタマーコードというのがあって全日空は「81」日本航空は
「46」なので、機体の登録リストを見ると、B-767-246とかB767-281という
形式で登録されているので最初に購入した会社がわかるようになっています。
今は大韓航空やフィリピン航空も新造機を飛ばしていますので、中古機を使用
することはありませんが何十年も前は大韓航空のB-727の登録がB-727-281に
なっていて元全日空の飛行機を飛ばしていることが判りました。

B-727-200は乗客数も手頃ですし、エンジンの位置が高いので舗装が荒い空港
でも滑走路の砂利などをエンジンに吸い込みにくいのでローカル空港での運用
には向いていたみたいです。但し滑走路の長さがある程度ないと離陸すること
が出来ないので超ローカル空港では飛ばせません。


貨物機に改造されていますが、旅客機でも音は大きかったです。

この機種は旅客機としては初期のB-707、DC-8の第一世代に続いて開発された
第二世代ということになりますから、まだまだ機内設備などほとんどない時代
ということになりますが、短距離便でも茶菓子と飲み物が出て、沖縄など距離
の長い路線だと機内食も出て電車の旅行とは違った特別感がありました。

映画も音楽もないけれど食べ物と飲み物が出るのを選択するか、飲食は不要で
パーソナル画面で映画や音楽を選択するかと聞かれた場合、支持者が多いのは
どちらでしょうね。LCCの場合はどちらも選べないから安いんですが、今後は
2年から4年ぐらいは航空機需要は元に戻らないと予測されているので今までと
違うサービスの方法で差別化が図られて行くことなると思うので、これからも
飛行機に乗るのは楽しみにしています。

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タグ：日本航空 全日空 ボーイング 旅客機 B-727-200