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油断は禁物・水産物のパラサイト [健康・医療]

コロナウイルスが昼の番組のメインの話題になっていますが、テレビで感染者
の推移を逐一伝えたところで、それに何か意味があるわけでもないので恐怖感
を煽るだけのデマに近い話を深刻そうに話すのは止めたら?と思います。

covid19.jpg

ひとつだけ関連情報で危ないなと思うのは、インフルエンザの特効薬とされる
アビガンの臨床投与を開始したという話で、この薬は胚(受精卵の初期段階)
の初期段階で致死及び催奇形性が認められるという重大な副作用があるために
妊娠の可能性がある女性は投与が出来ません。


女性だけに影響があるわけではなくて、この薬品は精液の中に移行することも
確認されているので、投与終了から七日以内に性行為をして受精したり、妊婦
の胎内に精液が入った場合、流産したり胎児に奇形が起こる危険性があるので
もしもコロナウイルスの感染が確認されても、妊娠が可能なパートナーがいる
とか妊娠の可能性がある、または妊娠中のパートナーがいる男性は使用しない
という注釈があるので、絶対的な特効薬ではありません。

高齢者への投与が大半の目的だと思いますが、ネットではアビガンさえ使えば
大丈夫みたいな言説も流布しているので要注意だと思います。

コロナウイルスの話を専門家でもないのに長々と書いても仕方ありませんので
これから春になって増えてくる水産物の寄生虫の話を書くようにします。

多くの方が魚には色々な寄生虫がいるのはご存知のことと思います。
比較的よく利用されている魚種の中では鮭やスケトウタラ、そしてイカ類の中
にアニサキスという寄生虫がいることが多いです。

アニサキスは、主に北洋や冷たい海にすむ魚類に寄生していることが多く、鮭
・タラ・サバなどはその中間宿主であり最終的にはクジラやイルカなどの水生
哺乳類の消化器に入り込むことを目的としている生物です。

ところが自然界の食物連鎖の範囲外の生物である人間に、中間宿主である鮭や
サバが加熱調理すること無く食べられてしまうと、アニサキスは本来なら定住
すべき場所ではない環境におかれてしまうので、居心地が悪くなって消化器官
の中で暴れまわります。

そのために、人間は強い腹痛を感じることとなり胃潰瘍の穿孔などと間違えて
病院に運ばれるということがあります。

スケトウダラを自分で調理された経験のある方なら、ご存知だとは思いますが
大部分のスケトウダラの腹腔内には、多数のアニサキスの卵が産みつけられて
いて、映画のエイリアンの巣を思わせるものがあります。

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幸いにして、スケトウダラは鍋物の材料として使われることがほとんどで生食
(刺身)で食べるようなことはあまりありません。
また、販売されている切身は丁寧に異物を取り除いてあるので、滅多に消費者
の手元までアニサキスや卵が付着していることはありません。
但し、ごく稀に残っていて“異物”として販売店に苦情が来ることはあります。

海の魚は大半がアニサキスなので、冷凍して調理するなどの対策が取られては
いますが、川魚(淡水魚)は、販売量が少ないこともあり人間に寄生した場合
どのような症状が出るかを知らないまま調理する人もいるのが現実です。

アニサキスの症状も軽くはありませんが、淡水魚の場合は命に関わる例もあり
決して軽視できないので知識として覚えておくことは重要です。

割と有名な種類では、日本住血吸虫(ニホンジュウケツキュウチュウ)や肝臓
ジストマ、横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)などが日本を代表する淡水魚の
寄生虫で清流のように見えるきれいな川にも、たくさん生息していて、鯉や鮒
鮎、サワガニなどに寄生しています。

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基本的に、海水魚と同じく寄生虫が原因の病気は、生のままで食べない限りは
大丈夫なので、先人達は昔からの経験で川魚の生食を戒めていたために以前は
そんなに寄生虫症を発病するような人はいませんでした。

ところが、現代では意味もなく継続しているグルメブームの影響で正しい知識
のない人が素人料理で、洗いや刺身にして食べたり、サワガニを生食したりと
いうことまでしたために、本人にも理由がわかっていないまま寄生虫症になる
人が結構いるようで問題視されています。

なぜか日本人を含むアジア人には、精力絶倫という言葉に弱い人が多いようで、
どじょうを生きたままで飲むと精力絶倫になる(わけないですね?)といった
デマを信じて実際に飲む人が割と多いようです。

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が、どじょうには顎口虫(ガイコウチュウ)という寄生虫がいます。
この寄生虫はライギョ(カムルチー)にもいるのですが、ライギョを生食した
場合、体中の皮膚の表面がみみず腫れのように盛り上がって激痛を感じ、その
後が内出血をして皮膚の中を移動するようになります。

顎口虫が成長しながら皮膚の中を這い回るために、このような症状が出ますが
死ぬようなことがないだけマシで、ジストマが肝臓に寄生した場合は最終的に
肝硬変になって死に至ります。

家に住み着くパラサイトも怖いですが、現実性は低いですからね。
現実性の高い魚の寄生虫には十分に注意してください。


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