お手軽釣り場の危険魚 [アクシデント]
北陸方面まで投げ釣りや堤防釣りに出かけていました。
沖合まで出なければ、サメにかじられるようなことはないと多くの方々は
思うかと思いますが危険な魚はサメやウツボだけでなく、身近にもいると
いう実例を書いておこうと思います。
場所は福井県の敦賀市にある敦賀港の突堤で、松原海水浴場側に向かって
投げ釣りをしていました。
入れ食いというほどではないものの飽きない程度にチョコチョコと当たり
があってキス、カレイ、チンタ(黒鯛の幼魚)、ヒイラギ(別名ゼンメ)
などが釣れるという状況で、いわゆる五目釣りの感じでした。
そんな呑気な堤防釣りを会社関係の数人で、仕事の話や世間話をしながら
続けていたわけですが、そんな時に一人の人の竿に当たりがあり、何だか
ほとんど抵抗しないなぁ…なんて言いながら釣り上げたのがハオコゼ。
強烈な毒針で有名なオニオコゼほどではないものの、それなりに毒を持ち
刺されたら半端じゃないよね、なんて言いながら慎重に堤防に降ろすと、
目が吊り上がっていて恐ろしい如何にも悪人顔(悪魚顔?)のハオコゼが
ギロリと睨みつけてきます。
※ 普通は魚の目は丸いものですがハオコゼは吊り目なんです。
私はそそくさと道具箱からハサミを取り出して、糸を切って海に逃がそう
と主張しましたが、釣り上げた本人は足で踏めば大丈夫と言って、魚体を
軽く踏むとテグス糸をピーンと張って、針を外す事に取り掛かりました。
大丈夫?と覗き込んだ瞬間、足で踏む力が弱かったからかツルリと魚体は
足の下から抜け出して、張り詰めた糸の先、つまり指先へと一直線です。
アイタ!と左手の親指を押さえる上司。
ハオコゼは跳ねることもなく、ジトーッと相変わらず睨みつけています。
私はハサミで糸を切り、堤防の上から海の中へとハオコゼを蹴り落として
刺された上司の親指を見てみると、刺されてから殆ど時間も経っていない
のに、手首の辺りから指先までが腫れています。
刺されたところに口を付けて毒を吸い出している上司に、痛い?と聞くと
めちゃくちゃ痛いという、まあ当然のようなお答えで、病院に行かなくて
良いのだろうか?とか、帰りはどうしよう?とか(上司の車に乗せてきて
もらっていたのです。)考えていました。
しばらくしたら、痛みも腫れも引いてきたので帰ることが出来ましたが、
毒魚を釣り上げてしまった時は、危険なので必ず糸を切ってリリースする
ということは必須だと思い知りました。
ただ防波堤のように海に降りられないところならば、それで大丈夫ですが
砂浜とかだと海に捨てても結局は人が触れられるところまで流されてくる
危険性があるので、そういう場合には深めに穴を掘って埋めてしまう事も
考えなければいけないと思います。
実際、伊良湖に行った時には、これまた痛い毒魚のゴンズイがそのままの
状態で捨てられていて、毒針のある胸鰭が真上を向いていたのです。
もしもまともに踏んだりしたら靴底でも貫通するような、5-6センチ位
の毒針が突き立っていましたから、危険極まりないことです。
結局、防波堤から海に落としましたが常識的な釣り人のすることではない
と強く思ったものでした。
確かに堤防はお手軽な釣り場で安全性も高いわけですが、だからこそ逆に
子どもや魚をあまり知らない人もたくさん歩いているわけです。
少なくとも釣れてしまう可能性のある毒魚だけでも特徴などをよく調べて
危険なことにならないようにすることも大切なマナーだと思います。
これから水温も下がり、キスやアジ、セイゴ(スズキの幼魚の関西地域の
呼び方)なども釣れるようになりますから、防波堤釣りは安価で楽しめる
レジャーになると思いますが、そこにいる人が一日を楽しく過ごすために
重要なルールはしっかりと守るようにしたいものですね。
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