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日本平夢テラスで赤い靴の女の子の真相を知る [トラベル]

久能山東照宮の石段で、日頃の運動不足の結果から足がヨレヨレになりました
が、せっかく日本平まで来たのですから夢テラスからの富士山を見ずに帰ると
いうわけにはいきません。

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夏に見る富士山は普通に高い山ですが、雪を被った冬になると江戸時代の絵師
が浮世絵に描いたような富士山に変貌するのが凄いなと思います。
ロープウェイの音声ガイドでは、元々は日本平という地名ではなかったらしい
ですが、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が草薙の賊を平定後、山の上まで
登って周囲を見渡したという伝説から、いつの間にか、日本平という呼び方が
定着したという話が流れていました。


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伝説というよりは神話の世界の話なので、事実に沿った話ではなくあくまでも
ファンタジーの話ですが、日本の地名って神話に基づいて付けられている名称
が意外に多いので、驚きはないです。



初めて知りましたが(知っている人の方が多いかも知れませんが…)あの童謡
の「赤い靴=赤い靴履いてた女の子、異人さんに連れられて行っちゃった」の
歌碑が日本平にあるんですよね。横浜の山下公園に銅像があって、異人さんが
船に乗って女の子を連れて行くという内容から、横浜の港での話としか思って
いなかったので、違和感がありましたが、あの詩を書いた野口雨情に赤い靴の
女の子の話をしたのは野口雨情と一緒の新聞社に勤めていた同僚で、その同僚
の奥さんこそが、赤い靴の女の子の母親だったということです。

赤い靴の女の子の名前は岩崎きみで、母親が結婚するのにあたり外国人宣教師
の夫婦に引き取られてアメリカに行ってしまったという話を聞いた野口雨情は
赤い靴を履いた女の子が異人さんに連れられて行ってしまったという詩を書き
その詩に曲をつけて童謡として発表されましたが、実は岩崎きみちゃんは結核
に罹患してしまい体力も低下していたのでアメリカに行くことなく、孤児院に
預けられて、そのまま9歳の短い生涯を閉じたようです。
亡くなった岩崎きみさんは清水出身だったので、里帰り感覚で歌碑が建立され
日本平に設置されたということでした。

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ただ、富士山を見ただけでなく今まで知らなかった「赤い靴」の女の子の話を
知ることが出来て、年齢を重ねつつも新たな知識を得られるのが、旅行をする
楽しみの一つでもあるような気がします。

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この後、山を下りて三保の松原に向かいました。


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コメント 6

hana2024

こんばんは。
日本平夢テラスへ行ったのは、昨年5月。目の前に広がる富士山の雄姿!でも季節柄なのか、これほどはっきりとは見えませんでした。
赤い靴の女の子は、横浜土産にもなっているくらいながら。そのエピソードは存じませんでした。野口雨情の碑、雨情の旧居も市内に残っております。
by hana2024 (2024-01-13 21:49) 

suzuran

hana2024さん:
コメントありがとうございます。

冬は空気が澄んでいるので透明感があって綺麗に見えますね。
夏は雪がないので、富士山の輪郭がはっきりしない感じがします。
やはりきれいに見えるのは冬だと思います。

赤い靴の女の子は、横浜港から異人(外国人)に連れられて海外へと
行ってしまったと思っていたので、日本で亡くなっていたのは驚きと
いろいろな意味で悲しい時代だったというように感じました。

「赤い靴」の歌詞の「異人さんに連れられて」の部分を「良い爺さんに
連れられて」だと思っていた友人もいたぐらいなので、あまりリアルな
話だと受け取っている人はいないかも知れませんね。

by suzuran (2024-01-14 00:01) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

きみちゃんの碑は、東京都港区麻布にもあります。預けられた教会跡地の近くです。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2024-01-14 08:27) 

溺愛猫的女人

赤い靴の女の子の歌詞にそんな悲しい事実があることを知りませんでした、
by 溺愛猫的女人 (2024-01-14 13:46) 

suzuran

暁烏 英さん:
コメントありがとうございます。

東京の「きみちゃんの碑」をご存知の人は「赤い靴」の真相を知っている
ということでしょうね。「赤い靴」と言えば山下公園の像が全てだと
思っていたので、還暦を過ぎて気付けて良かったです。
人生、幾つになっても新たな気付きはあるものですね。
by suzuran (2024-01-15 00:21) 

suzuran

溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。

中学校の修学旅行で山下公園に行った時に、当時の先生から、この像が
「赤い靴」の女の子の像で、ここから船に乗って異国に連れて行かれた
という説明があったので、あれから45年以上そういう話だと思っていた
わけですから、身近なところに「きみちゃん」の存在を知るものがない
状況では事実は分からないと思いますよ。

高齢者の領域に達して初めて知る者もいるわけですから、いろいろな
伝説や童謡、民話の中に真実が隠れている例はまだまだあるでしょうね。
そんな事実を旅先で見つけるのも、また知識が増えて楽しいものです。

by suzuran (2024-01-15 00:28) 

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