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嫁姑の揉め事は昔から [人間関係・生活情報]

殺人事件のような破滅的な結果になることはあまりありませんが、日常茶飯事
みたいなトラブルの火種になっているのが嫁と姑の問題だと思います。

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最近は高齢化というか、平均寿命が延びていることもあり元嫁が新嫁を苛めて
そこに古姑が絡む、という例もあったりするので家庭内の揉め事も複雑化して
いるような感じですが、そんな家庭内トラブルが大昔からあったのが偲ばれる
伝承が福井県の吉崎御坊に残っています。


子どもの頃に、家族旅行で行った「嫁脅し肉付きの面」の話。
小学生の時に聴いた話なので、曖昧な部分もある記憶ですが寺の住職ではなく
お婆様がオープンリールタイプのテープレコーダー(今では絶対にないはずの
物です)のスイッチを入れると、嫁脅し肉付きの面の話が流れ始めました。
お婆様はそれに合わせて、一言も発することなく指で幾つかの絵を指し示して
形を変えた紙芝居という感じでパフォーマンスは進行しました。

伝承の朗読が終わると、これぞ肉付きの面と称して古めかしい鬼の面を箱の中
から出して観客(約20人ほどの拝観者)に見せて説明はおしまい、というもの
でしたが何十年も経っても、その時の光景を覚えているぐらいですから、意外
にも強く印象に残る名演だったのかも知れません。



話の内容は、その後で聞いた話も混ざっているので決して正確な伝承通りとは
言いませんが、息子に先立たれた姑が息子の嫁と暮らしている家で起きた事件
の話で、夫が亡くなった後も、毎日お寺に通って夫の供養をする嫁は近所でも
評判の夫思いの嫁さんだったわけですが、その評判を快く思わない姑はある夜
お寺からの帰りの嫁を待ち伏せて鬼の面を被って脅します。

夜道に突然現れた鬼に驚いた嫁は、道端の崖下に転落してしまいました。
まさか、そのようなことになるとは想像していなかった姑は嫁が崖から落ちて
しまったために死んでしまったものと思いこみ慌てて家へと逃げ帰ります。

私は嫁を殺すつもりなんかなかったのに…と嘆きつつ面を外そうとすると顔に
ピッタリと張り付いた鬼の面は顔の肉に同化したようになって外せません。

するとそこに、仏様のご加護によって怪我一つもない嫁が家へ帰り着きます。
鬼の面を付けたまま嘆き悲しむ姑は、嫁が帰ってきたことに驚きますが自分が
行った悪事を残らず嫁に告白します。

姑の懺悔を全て聞いた嫁は、一緒に祈るように姑に言って「南無阿弥陀仏」を
唱えると顔面に張り付いていた面はポロリと外れたので、それから二人は熱心
に信仰を続けて幸せに暮らしましたという話です。



醜い心を持った者は報いを受け、悪事を懺悔して悔い改めることで幸せは手元
にやって来るという話ですが、嫁の下着を切り刻んで捨ててみたり、姑のお茶
にハイターを入れたりしている現代の嫁姑の心にどこまで響くのかは謎である
と思いますし、そんなに簡単に改心はしないだろうなと思います。

育った生活環境が全く違う者同士が、常に丸くいられるかというのはどちらか
が我慢する必要もあったりするので簡単なことではないと思います。
ましてや息子を盗られたと考える姑と息子を盗った嫁が同居するのは、かなり
軋轢もあると思うので、そんなに簡単に手に手を取って仲良くするなんてこと
は出来ないんじゃないのかな。現実的には難しいでしょうね。


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