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おしどり夫婦の現実 [動物・ペット・虫の話]

仲睦まじい夫婦を比喩する言葉としておしどり夫婦というのがあります。
おしどりというのは、カモのように水の上に浮いて暮らしている鳥類の仲間で
雄はきれいな模様の羽で、雌よりも少し大きく、それに対して雌は地味な色で
雄を引き立てるかのように少し小さくて、いつも一緒に行動していることから
古い日本的価値観の「夫唱婦随」のシンボルとして、昔から夫婦円満の象徴の
ように扱われてきました。

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韓国でも儒教的な考え(日本の古い価値観の中には、儒教の教えの影響もある
と考えられています)から、おしどりは夫婦円満の象徴と見る人もいます。


という一般的な考えに対して、実はおしどりのカップルは一年毎に違う雄と雌
の組み合わせになっていることと、相手を選ぶ主導権は雌が持っていて、雄は
雌に選ばれない限り、子孫を残すことは出来ないことが、鳥類専門の研究者の
おしどりの定点観察研究によって確認されています。

つまり、おしどりのカップルは仲睦まじく一生涯、同じパートナーと変わらぬ
契りを結んでいたわけでもなく、恋の季節(発情期)になる度に雌が主体的に
雄を選んでいたということになるわけで、昔の人間界の(男性社会)の価値観
による理想(女性はあくまでも男性に守られる弱い立場であって、夫婦関係を
主導するのは男性)というよりは、現在の恋愛・夫婦関係に近い形態だったと
いうことが判明したことになるわけです。



昆虫の世界では、カマキリのように産卵直前になると交尾をした相手の雄を頭
からバリバリと食べてしまったり、女王アリや女王蜂などのように雌が一族を
率いるような生態が知られているように、雌が一族の中心であり、雌の支配化
で世の中が動いているようなイメージが強いのですが、鳥の世界も同じような
もので、人間界もそうなることが自然なのかも知れません。

aho_taro.jpg

だから、老いぼれようが、知恵も知性も良識もない男たちが、いつまでも権力
にしがみついている日本だけが世界から取り残されているのでしょう。

一生に400個だけの卵子を産み出す女性が、一時間に1,200万個の精子を作って
無駄な遺伝子を放出することを恋愛だと勘違いしている男を選別するのは当然
のことで、冷静かつ冷酷に本能としてパートナーを選ぶという見方をするなら
男たちは一所懸命に外見や内面を磨く努力が必要なんでしょうが、残念ながら
人間には財力というファクターが大きく作用するので、動物として優れている
人であっても、収入が低くて選ばれないという現実があります。

silhouette_romance.jpg

それが結果として拝金主義が幅を利かせ、高収入であることと金持ちの世襲に
女性が惹かれることになり、この国の劣化に繋がっているのかもねという私見
はありますが、それはあくまでも個人としての見方です。

お金に左右されない昆虫や野生の世界では、表面上の魅力ではなく、遺伝子を
受け継ぐという本能の部分で、女性(メス)が優秀な遺伝子を持つ男(オス)
を探すという自然の法則が成り立っているということが、おしどりの夫婦関係
からも理解することが出来るかと思います。

人間(特に男尊女卑的な考えを持つ男たち)の勝手な想像で、人間社会以外も
男優位というか、男性が尊重されていると思い込んでいる人が少なからず存在
するような感じですが、それは大きな勘違いかつ身勝手でしかないことを正確
に理解することが必要かと思います。


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