この時はマニラに初めて降り立つ、というか海外に行くのが初めてという会社
の同僚が成田空港から飛行機に乗ってきて（当時は日本航空でも名古屋発便が
あったので愛知県の人である自分は名古屋から行きました）現地（マニラ）の
空港で待ち合わせという計画を実践した時でした。
マニラの空港はアラブ系の航空会社が多いです。（出稼ぎしているので）
スケジュール通りに運航されれば、名古屋・成田ともに到着時刻に大差はなく
空港でほぼ同時に到着して合流できるはずだったのですが、成田発の便が遅延
してしまったために、名古屋から定刻に着いた方は待つしかない状況です。
マニラというかフィリピンの空港では、一度空港のターミナルビルから外へと
出てしまうと、再び入ることは出来ないので入国審査を受けたこともない同僚
を置いて外には出られないので、仕方なく名古屋からの到着のお客さんが全員
いなくなっても、端っこの壁に張り付くようにして目立たないようにして同僚
を待っていましたが、当時のフィリピンはテロリストグループのアブサヤフが
活動していた時代だったので、厳しい顔付きをした警備員によって発見されて
しまい、最初の対応は完全なる不審者扱いでした。
第二ターミナル（フィリピン航空専用）は割ときれいです。
名古屋から来て他の人は誰もいないのに、なぜここにいる？
パスポートを見せなさい、日本から何をしに来たのか、友達はなぜ来ないなど
一般の日本人でもわかるレベルの質問を英語で聞かれました。
本音の部分では「飛行機が遅れた理由なんてわかるかいな」と思いつつも本気
で怒らせて「日本人、マニラの空港で不自然な挙動によりテロリストの疑いで
逮捕」なんて新聞記事になるのも困るので、警備員を怒らせないように穏便に
テロリストではないと説明をして、とにかく初めての海外旅行の友人を置いて
空港からは出られないと思い付く限りの英単語を並べて話をしたところ、話の
内容については理解したが、ここではテロリストと見られるので安全な場所に
移動しようと言って、成田からの到着便の搭乗客が降りてくる目立つ場所へと
連行されて柱の横に立たせられました。
ここに立っていれば、友達からはとてもよく目立つから迷わない大丈夫！
と言って立つ位置まで指定してくれました。本人は親切心のつもりでしょう。
が、その状況はどう見ても不審者の晒し者状態だったわけで、知り合いなんて
いないだろうけど日本人から見られたら、この人は一体なにをやったんだろう
と思われる状態だよな～と、心の中で呟きつつ30分ほど立っているとようやく
成田空港からの遅延便が到着しました。
その間には、何人もの警備員が入れ替わり立ち代わり、待ちぼうけの日本人を
気遣ってくれたようで、様子を見に現れては、もうすぐ来るからな頑張れとか
声を掛けてくれましたが、男女の警備員に囲まれて英語で話しかけられている
見る限りは不審者である日本人を見る通行人の目線は冷たかったですね…。
とてもよく目立つ場所に立たせてくれていたおかげで、同僚にはすぐに発見を
してもらうことは出来ましたが、他の方々からは確実に危険人物だと見られた
だろうなと思います。
入国審査に向かう時、警備員の中の隊長みたいな人に「Thank You」と言うと
ニコッと笑って右手を広げ、キモチクダサイと言いました。
私の同僚は初フィリピンだから気付かないだろうけど、そういう時の対応には
慣れているんだよね、とは言いませんでしたが、彼の右手を両手で握り締めて
「キモチ、キモチ」と言いながら握手をして手を振ると、仕方ないなぁという
顔をして、隊長は手を振って「マタ、アイマショウ」と見送ってくれました。
第1ターミナルは暗くてボロいです。JALも第3ターミナルに移転して欲しいです。
このトラブルで、英語が流暢に話せなくても、単語を並べれば一人であっても
なんとかなるという貴重な学びをしたことにより、マニラ在住の日本人の人に
ゴリ押し英語と言われても海外に一人で行くことに自信がつきました。
本当に大きなトラブルは怖いので、海外旅行傷害保険には必ず入っていますが
現地係員が対応するツアーで海外に行ったことはありませんね。
マニラ・ニノイアキノ空港で無謀な待ち合わせ
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