最初に結論を書いてしまいますが、全く面白くない映画でした。
庵野秀明の信奉者から見た場合は、どうなのかはわかりませんが、子供の頃に
リアルタイムでウルトラマンを見ていた個人的な目線からすれば全然魅力的な
描かれ方をされていないウルトラマンでした。
そもそも「シン・ゴジラ」も全く評価していないので、庵野秀明と樋口真嗣の
映画は自分には絶対に向いていないと思います。
ハヤタ隊員がベータカプセルを使ってウルトラマンに変身して、怪獣に対して
ほとんど無力な人類を助ける、という単純な話のままにスケールアップすれば
もっと見られる映画になったでしようが、登場する怪獣は全て昭和の怪獣たち
の焼き直しで、オリジナル作品に対するリスペクトとか言われても、下手糞な
CGはそのままで、アメリカや韓国、中国の映画にも劣る完成度の低さでは迫力
など全く期待できません。
一般的な認識として怪獣を「禍威獣」と表現します?また、科学特捜隊だった
怪獣に対する専門組織が敵性大型生物(禍威獣)災害対策専従組織を省略して
「禍特対」なんて表現すると思いますか?庵野秀明と樋口真嗣の作る映画って
そういう一般的ではない部分に妙にこだわって本編をぶち壊しにしている印象
がとても強くて、それがまたつまらなさを増幅しています。
登場する怪獣はネロンガ、ガボラ、ザラブ星人、メフィラス星人、ゼットンの
五種類で、それぞれにオリジナル作品の特徴を踏襲してはいますが、着ぐるみ
でないために薄っぺらさが感じられて、こだわるところが違うんじゃないの?
と作者に直接問い質したくなるレベルの造形です。
大型生物災害対策専従組織の割には、ネクタイをした国家公務員が机上の論理
で怪獣(あえて通常の表現で書きます)退治の指揮を執るというのは無理筋が
強すぎて、しらけてしまうんですよね。そんなわけないだろ?感が強すぎ。
昔のウルトラマンでフジ隊員が巨大化したのを長澤まさみが再現したシーンが
ありましたが、何故かスカート姿で下からの映像になっていて、スケベ心全開
のあざとさだけが印象に残って、本当につまらん映画を観てしまったと時間の
無駄を嘆きたくなるほどの駄作でした。
まだ見ていない人には申し訳ないですが、余程の暇な時間があり、オリジナル
に思い入れのない人しか、この映画は観ない方が良いと思います。
個人的に「ウルトラマングレート」の方が、遥かに好きです。