劇場公開された際に、映画館まで観に行こうかと思いましたが、コロナ最盛期
の映画館は上映期間がとても短くて、行こうとした時には終わっていました。
ということで、U-NEXTで観たわけですが、結論を先に言うと、期待していた
内容とはちょっと違った映画でしたね。
オープニングで「俺はここ二か月ほど、妻とセックスしていない」から始まり
ん？予告編でセックスレスという表現があったような気がするけど、とにかく
「や・り・た・い」という願望が第一の夫を描いた映画で、それでも愛妻物語
なのか…ちょっと違和感というのが映画が始まった際の印象でした。
夫婦関係に限らず、元不倫相手の女性と偶然公園で再会しても、目が行くのは
胸の谷間ということで性欲の解消が第一の売れない脚本家が主役です。
その脚本家の収入では生活費としては不足しているので、家計を支えるために
夫をサポートする奥さんは速射砲のように罵詈雑言が飛び出しますが、夫との
交際中は彼の才能を信じていた様子が回想シーンで出てきます。
家事を手伝っても育児を手伝っても、これだけ尽くせばセックスさせてくれる
という欲望が先に立つものの生活力がない夫の相手はしたくないと妻には完全
拒否されている生活力の無い脚本家、豪太を演じているのは濱田岳。
夫のお気楽な性格とバーチャルリアリティのAVを見ながらパンツを下げている
性欲お化けのような夫に愛想を尽かしながらも生活を支えるために仕事と家事
をこなす妻、チカを水川あさみが演じて、二人の間の子供、アキを新津ちせが
演じ、元不倫相手に大久保佳代子、チカの大学時代の友人を夏帆が演じます。
高松の「高速でうどんを打つ女子高校生」を題材にした企画が、映画化の方向
で動きそうだから、プロットを書いたらどうかという提案を受け、四国に取材
に行く必要がありますが、旅費はない、車の免許もないということで、免許を
持ったチカに家族旅行を兼ねて四国に行くことになりますが、そこでも豪太の
目標は旅行中にセックスすることなんですね。
日本でセックスレスの夫婦は半数以上という調査結果がありますから、映画を
観た人の中にもセックスレスに悩む人は少なくないかも知れませんから、その
視点で見たら、リアリティを感じた人も割といたかもです。
四国まで青春18きっぷを駆使して辿り着き、ビジネスホテルのシングルルーム
に後から忍び込むという規約違反（実際にやって発覚した場合は、料金の請求
だけで済まない場合もあるので、真似をしてはいけません）をしたりして四国
の珍道中は続きますが、さて旅行中にセックスすることは出来るでしょうか？
というのが最大のテーマのような感じの映画になっています。
これは確かに愛妻物語だと思う人がいるかも知れないし、この映画のどの部分
が愛妻物語なのと思う人もいるかも知れない映画でした。
個人的には好きなタイプの映画ではありませんでした。残念。