製薬会社の新薬の治験に参加したエキストラの青年が、一回薬を飲んだだけで
30万ウォンがもらえるという治験に参加したところ、親の因果も何も関係なく
薬の副作用により、魚の顔に水掻きのついた手という魚男になってしまっため
恋人（本人はそう思っているけれど女性は酔った勢いで一度寝ただけ、という
残念な話）の家に逃げてきたら、なんと女性は製薬会社に電話をした上で本人
を引き渡したら、いくらで買ってくれると売り飛ばしてしまうという惨事。
その後、ジンとサンウォンが出前を装って製薬会社内に潜入し、研究室の奥に
軟禁されていたパク・グを助け出し、サンウォンの自宅に匿っているところへ
父親が現れ、補償の話と女性蔑視的な発言で嫌われもので自己チューの中高年
を体現し、その後から現れた弁護士は、自分自身の社会的評判を上げるために
魚男を利用しようとしているのがミエミエで自称人権派ですが、違います。
というようなことで、存在が公になると製薬会社の対応に対する国民の非難が
あつまりますが、製薬会社側はパク・グにセクハラ疑惑で対抗し、世論を分断
する大きなデモに発展したことで追い詰められたパク・グは、書置きを残して
姿をくらましますが、中学生に殴られてサンウォンのところに戻り、それから
さらに事件が起き、パク・グはどうすれば良かったのか…というお話です。
韓国の学歴社会（有名大学卒と地方大学卒の格差）や、若者の就職難、一般的
ではないことをすると北朝鮮を賛美する人として迫害を受けるなど、韓国社会
で問題とされていることを風刺するテーマがあるようですが、韓国の社会問題
について、ある程度の知識がないと判り難い部分もあることから、初めて見る
韓国映画にするには敷居が高い気がします。
上半身が魚になった容姿は、魚の被り物を被っているのではなく重さ８kgの魚
のマスクを被った上、6時間程のメーキャップで作り出しているようで、普通
に口が動いたり、不自然な接合などもないのは凄いです。
単純なコメディではないので、笑える部分はほとんど無いですが、気弱で自分
の気持ちを強く言葉に出来ないパク・グにとって、周囲の人々から受ける反応
は決してポジティブなものではなかったことが、ラストに繋がっている映画と
いうように見ました。韓国映画を何本も見て、韓国に興味を持った人には映画
の背景を知る予備知識として見て欲しい映画だと思います。