ここは1994年に、この年にF1デビューしたローランド・ラッツェンバーガー
と、ウィリアムズのアイルトン・セナが事故死したサーキットなので、特別な
場所という意識がありますが、大事故が発生したコーナーは現在は改修済みで
ドライバーが亡くなる危険性は遥かに小さくなっているとされています。
コンクリートの壁がコーナーの先に剥き出しで存在していたこと自体が、今の
常識で考えたらあり得ないことだったと思いますが、もしもあの事故が起きた
時に、タイヤバリアがあって、Haloがあったとしても生命を守れたかどうかは
わからないでしょうね。起きるべくして起きたことではない故に事故ですから
それは誰にもわかりませんね。運命論で片付けるのもどうなんだろうとは思う
ものの、後に言い伝えられているように呪われた週末だったのでしょう。
事故から28年が経った今年、2020年からイモラで復活したF1レースは、昨年
に続いて今年も、エミリア・ロマーニャGPの名称で開催中です。
開催契約は2025年まで締結されているので、2024年にはラッツェンバーガー
とセナの30周忌のレースになります。事故の無いように一日が平穏に終わると
いうことが、一番重要なことだと語り継がれて欲しいです。
いつもだと土曜日は、3回目のフリー走行と予選が開催されますが、去年から
採用されている決勝前のスプリントレースの今年最初の開催場所として、ここ
イモラ・サーキットで実施が決まっているため、予選は既に終わっています。
金曜日に行われた予選では、地元イタリアでの開催ということで熱く意気込み
を語っていたアルファタウリの二人ですが、マシンのセッティングに失敗した
のかは、正確にはわかりませんが、ピエール・ガスリーがなにが起きたのかが
わからないと言う調子の悪さで17番手、角田裕毅が一つ上の16番手と、Q1を
通過することなく敗退してしまいました。
最悪なのはウィリアムズのアレクサンダー・アルボンで、開始早々にリアから
出火（リアブレーキ）し、加熱によって爆発したために赤旗中断になりタイム
を計測することなく予選最下位が確定しています。
最終的には、マックス・フェルスタッペンが今シーズン初のポールポジション
ただ一人だけが、1分27秒999のタイムを出しています。
二番手以降は
2．シャルル・ルクレール（フェラーリ）
3．ランド・ノリス（マクラーレン）
4．ケビン・マグヌッセン（ハース）
5．フェルナンド・アロンソ（アルピーヌ）
6．ダニエル・リカルド（マクラーレン）
7．セルジオ・ペレス（レッドブル）
8．バルテリ・ボッタス（アルファロメオ）
9．セバスチャン・ベッテル（アストンマーティン）
10．カルロス・サインツ（フェラーリ）
エンジンメーカー別だと、フェラーリが4台、メルセデスが3台、アルピーヌが
2台、そしてHRC（ホンダ）が1台ということになり、フェラーリ製エンジンの
戦闘力の高さが証明されていると思います。
カルロス・サインツは、Q2で10番手以内のタイムを出したもののクラッシュ
してQ3には参加できなかったので10番手ですが、実際に走っていれば10番手
よりも上の順になったと思います。
シャルル・ルクレールと比べると、カルロス・サインツのドライブには粗さが
あるという感じがするので、その辺りが安定するとフェラーリが圧倒的に優位
になりそうな気がします。
特に目立っているのはハースのケビン・マグヌッセンの4番手です。
去年は問題外だとしても、今年のハースはフェラーリエンジンの威力がある上
シャシー自体の出来が良いということでしょうね。マクラーレンがそこそこに
3番手、6番手にいることでメルセデスのエンジンは、そんなには悪くないはず
ですが、シャシーの失敗によって現在のメルセデスは迷走中ですよね。
ルイス・ハミルトンがQ2敗退なんて、去年までのメルセデスではありえないと
思いますので、チームの能力を均一化することを目的にしてレギュレーション
の変更に踏み切った「F1」は目的をほぼ達成できたように感じます。
予選でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペンは、決勝での
ポールポジションを獲得するためもありますが、スプリント予選で1着ならば
8ポイント獲得できますからね、2つのレースをリタイアしているのでポイント
を積み重ねるのが大切なので、スプリント予選の順位も重要です。