基本的にフォーミュラカーのレースにウインターシーズンはありません。
タイヤが熱を持たなければグリップ能力を保つことが出来ませんし、オイルの
粘度が低下し、エンジンやギアボックスの負荷が増え、サスペンションの剛性
にも影響が出ますし、そもそもドライバーが寒くて長時間は走れませんね。
※例外的にカートのレースは雪上で行われていることがあります。
モータースポーツの中でも、ラリーのように、あえて過酷な環境の中で、車の
性能の限界まで走るテスト走行みたいなレースなので、極寒の雪道とか砂漠の
ように寒暖差が激しく細かい砂が部品の隙間に入り込むような非日常的な場所
でタイムを競うカテゴリーはありますが、GTカーや耐久レースでもやはり冬は
ドライバーはトレーニング期間であり、オフシーズンになります。
そんな常識をあっさりと否定したのが、マックス・フェルスタッペンでした。
今までにも同じようにF1マシンで雪上を走ったドライバーはいるかも知れない
とは思いますが、カーナンバー「1」の前年度のワールドチャンピオンが雪上
を走行したのは初めてではないでしょうか。
レース用のスリックタイヤでは当然、前にも進まないでしょうから、ピレリの
特製スパイクタイヤ(F1のパワーで空回りをさせないためには、スタッドレス
タイヤで対処するのは無理なようですね。)を履かせて、オーストリアで開催
された「GPアイスレース」のエキシビションで雪上走行を披露しました。
雪上というよりは固められた氷上という感じですが、気温が氷点下に保たれて
極寒だと、氷が溶けにくいため逆に滑りにくくなるとは聞きますが、それでも
やはりタイヤは幅が狭くなり、接地面に重量がかかるようになっていますね。
プロフェッショナルドライバーのF1ドライバーは、13.5トンのトレーラーとか
10トンのダンプカーでも乗りこなすことは出来るのでしょうかね?
一昔前のトラック野郎みたいなデコトラで、F1ドライバーが公道レースをする
イベントとか、実際には無理でしょうが、やれば出来るものなのかな。
なんてことをマックス・フェルスタッペンのデモ走行を見て思いました。