フランスの短編映画で「ワイルド・ラブ」という作品があります。
山へキャンプに出かけたカップルが、日常にありがちなアクシデントによって
動物たちの恨みを買うというストーリーで、決して子供向きではありませんし
かなりグロテスクな表現もあります。
が、実際に山登りをしたりハイキングをしたりという時に、山の上から小石を
蹴り落としてしまい、思いもしない崩落の原因を作ってしまったなんてことも
本人が気付かないだけでやらかしているかも知れませんよね。
都会や街の中では人間が主役のように思いこんでいますが、同じ地球上で命を
持つ生き物として、人間にとっては些細なことでも、人間よりも遥かに小さな
生き物にとっては死活問題であり、実際に無意識に生き物の命を奪ってしまう
ということが起きているのも現実だと思います。
この映画を観た評価コメントの中にはブラックコメディという見方をしている
人もいましたが、私の見方はこの映画の中で伝えようとしているのは、人間が
自然の中に分け入る時に最低限守らなければいけない自然への気遣いがあると
いうことではないかと思いました。
予告編しか見られなくなっちゃいました。
動物たちの復讐としては度を越しているという見方も確かにあると思いますが
山の中へ山菜狩りに出かけてクマに襲われたということで、そのクマを狩りに
行くのは果たして正義だろうか?という見方をした場合、人間を襲ったクマは
悪い生き物だと単純に決めつけることは出来ないのではないでしょうか。
そんな感じで冷静に考えることが出来ない時点で、人間に復讐した山の生き物
たちとやっていることは同じですよね。
そんな部分も含めて、悪気のない人間が些細な出来事で復讐されるべき存在に
なってしまうこの映画は本当は子供にも見てもらいたいと思いますが、目玉が
取れたりするのはちょっとね…シニカルで子供を子ども扱いしないフランスの
人が作った映画だなというのは強く感じました。