そうは言いつつもLCCの料金がさらに下がることを期待している乗客も
存在しているだろうということで、座席間隔を極限まで狭くして、座席に
座るというよりは座席に浅く腰を掛けるような態勢で立ち乗りをする座席
がイタリアの座席メーカーから発表され、ドイツのハンブルグで行われた
航空機の内装の展示会で披露されました。
最初のタイプは2010年に発表されましたが、アメリカ国内の航空関連
の認可権を持つアメリカ航空連邦局=FAAの承認を受けることが出来ず
世界最大の航空旅客が移動するアメリカ国内で認可されない座席が他国で
採用されるわけもなく発売しても全く売れなかった商品を再開発して展示
したのが今回のスカイライダー2.0でした。
シートピッチは23インチで、日本のLCCのジェットスタージャパンが
29インチでも狭いという声があるので23インチは非常識な狭さです。
ちなみに日本航空は31インチで、国際線の平均は34インチです。
この狭さなので座席を20%増やすことは出来るらしいのですが、近距離
国際線のジェットスターのA320で180席なので216席まで座席数
を増やせる計算になります。
この狭い座席を見て個々人がどのような感想を持つのかは私には想像する
ことは出来ませんが、少なくとも私個人としては例えばジェットスターが
現在約5000円の名古屋~福岡線で、この座席を採用することで料金が
20%下がって片道約4000円になったとしても、この座席の採用以降
ジェットスターを利用することは無くなります。
1000円安くなるのは、ランチが一食分(博多豚骨ラーメンを一杯分)
浮くわけですが、約1時間20分の飛行時間をほとんど立っているような
座席で過ごすのは絶対に嫌なので全日空か日本航空の早期割引を利用する
かスターフライヤーを利用することになるでしょう。
実際のところ航空会社の中には関心を持っている会社もあるらしいですが
前後の間隔が狭く、緊急避難が必要な事故が発生した場合には避難に相当
の時間がかかることが想定され、さらに荷物を前の座席の下に置くことが
出来なくなるためにオーバーヘッドストレージにより多くの荷物が集中し
荷物の制限がかかるかも知れません。
個人的には、この座席が採用された時には、採用した航空会社には絶対に
乗ることはないと思います。