私が10代、20代だった頃は「映画を観るならフランス映画さ~♪」と
甲斐バンドの「ポップコーンをほおばって」でも歌われていたように人気
のあるジャンルというか、カテゴリーでした。
アラン・ドロンやジャン・ポール・ベルモント、イブ・モンタンなど男性
の俳優は魅力的で、女優もカトリーヌ・ドヌーブを始めとして、肉感的な
人もいれば、ボーイッシュな感じの人など作品数も多かったです。
アメリカや英国でニューウェイブ、ニューシネマといった従来とは違った
視点で映画が企画され、メジャースタジオとは違うシステムで製作された
作品ブームになった頃にフランスでもヌーヴェルヴァーグという映画運動
が盛んになってフランソワ・トリュフォーなどの作家が現れました。
ポルノ映画で映画館が女性で埋まったエマニエル夫人など女性が主となり
奔放な性を描いた映画が作られたのも個人主義、性愛が人生の中で大きな
悦びであることを認めているフランスだからこそ表現できた作品だったと
思いますし、それは今でも変わっていないはずです。
というようなわけで、理屈っぽいけどお洒落な映画とか性を前向きに描く
快楽主義的な映画が今では人気薄になっているという話を聞くと、時代の
移り変わりを強く感じるものですね。
耽美的で救いのない暗い結末が多いフランス映画のフィルム・ノワールが
好きだった私としてはフランス映画が廃れていくのは寂しいです。
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