フーテンの寅さんが主人公の映画「男はつらいよ」シリーズの一つの見所
として、劇中での寅さんのセリフの面白さがあります。
数年前、寅さんの第一作の公開から４５周年を記念した廉価版のＤＶＤが
発売されたことを記念して、寅さん映画の中で好きな台詞を答えるという
アンケートを実施して、得票数の多い台詞７つが発表されました。
第一位になったのは「人間は何のために生きているのか？」と、問われた
寅さんが甥っ子に答えた台詞で、以下の言葉です。
「何というかな、ああ生まれてきて良かった、そう思うことが何べんか
あるだろう。そのために生きてんじゃねえか。そのうちお前にもそういう
時が来るよ、な？まあ、がんばれ」という含蓄のある言葉。
二位は妹さくらとの結婚を許して欲しいと迫る理屈っぽい博（前田吟）に
対して言う「ザマ見ろ、人間理屈じゃ動かねえんだ。」
三位には長いので割愛しますが、寅さんのインテリ嫌いが集積されている
ような考え方を単純に分かりやすく説明している台詞が入っていて、同数
の三位として「男が女に惚れるのに歳なんかあるかい。」というこれまた
「男はつらいよ」のテーマが凝縮されている台詞が選ばれています。
寅さんの台詞には人生の中で大切なことが本当にたくさん表現されていて
凄いなと思いますが、その台詞の大半を書いてきた山田洋次監督の存在が
一番すごいと思っています。