産経新聞の電子版に掲載されていた甲斐さんのインタビュー記事が五回で
一通りの終了ということになりました。

「バス通り」でデビューしたものの売れなくて、半年間の熟慮期間を経て
二枚目に出したシングル「裏切りの街角」がヒットしたことで、バンドの
カラーが一枚目に固定化されなかったのが良かったという甲斐さんの見方
が書いてありましたが、確かに「バス通り」のイメージで固定化されたら
初恋とか割と爽やか系の路線になってしまうので、「裏切りの街角」の際
に書かれていた情念のロックというような曲を出したら、そのまま星屑に
なってしまったかも知れないなと思いました。

コンサートでの失敗体験は、その晩のうちに分析して次につなげることを
繰り返し、成功体験はすぐに忘れる、なぜならば成功体験の残像が残って
いると次にこけるから…、毎回、観客もやる街も会場も違うから、空気も
反応も違う。同じ気持ちでやったらだめという言葉は一般の仕事にだった
置き換えられることはですね。

成功は何も教えてくれませんが、失敗は教えてくれます。表現はなんでも
そうなんです。リセットの大切さも失敗が教えてくれました。という言葉
もさすがに40年間ライブの世界で生きてきた人は、言葉の中にリアルな
戒めがあり、教訓があり、実感があると感じました。

甲斐さんも凄いですが、聴き手の人も素晴らしいと思いました。