昭和で時代の止まった商店街 [音楽]
商店街なんですが、実際に歩いてみると本当に人通りもなくて、しみじみ
と消えゆく街という感じを受けました。
という話はともかくとして古い商店街に新しい曲は似合わないという配慮
なのか、昭和の雰囲気で勝負なのかはわかりませんが商店街のアーケード
の中で響き渡っていたのは、アグネスチャンとかアリス、キングトーンズ
なんて感じの昭和の歌でした。
キングトーンズなんて私が小学校の低学年の頃でしたから、このブログを
読んでいただいている方の中でも知っている人は半分もいないでしょう。
でも、このキングトーンズの「グッドナイトベイビー」は、父親が好きで
親戚が経営していた喫茶店のジュークボックスで、一曲20円で演奏しては
母親と一緒に踊っていた思い出の曲でした。
甲斐よしひろさんが、ソロでカバーしています。
その後でかかったのがジュディオングの「魅せられて」この歌は父と母が
好きだった歌なんで、なんだか出来過ぎだなと思いましたが、そう言えば
この「魅せられて」という歌は、故・池田満寿夫氏の「エーゲ海に捧ぐ」
のイメージソングだったなぁと古い記憶が蘇ってきまして、芥川賞受賞作
の映画化でありながら官能的な内容(画家のひと夏のアバンチュール的)
だったので、全裸シーンが多くアンダーヘアの解禁前だったので、下半身
の映るシーンはピンクの円が局部の部分をウロウロするという滅茶苦茶な
作品だったことを覚えています。
出演していたチチョリーナは、その後イタリアの国会議員になったりして
ポルノ女優初の議員なんて持て囃されていましたが、その後どうなったか
は記憶にありません。
自らが監督した芸術作品にボカシを入れろと映倫に指摘されたことが逆鱗
に触れて、わざわざ目立つようにしたらしいですが見ている方は失笑する
しかないというヘンテコな映画になっていましたが、一番の驚きは映画の
エンドロールが終わるまでに一回も「魅せられて」がかからなかったこと
で、あれ?何だか変と思いましたら、同じように思った人もたくさんいた
ようで、映画の配給会社に問い合わせがあったようです。
CMでは「エーゲ海に捧ぐ」の映像が流され、そのBGMには魅せられて
だったのですが、実は「エーゲ海に捧ぐ」の中で女優が着けていた下着が
ワコールの製品で「魅せられて」はワコールのCM曲だったのです。
今ではメディアミックスとか、コラボレーションなんて横文字が大好きな
勘違い日本文化の象徴のような言葉で表現されていますが、簡単に言えば
タイアップ広告の黎明期みたいだった頃にヒットしたのがジュディオング
の「魅せられて」だったのですね…なんてことを思い出しながら、昭和の
雰囲気に隅々まで浸っている商店街から帰ってきたのでした。
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