上段のシートなら問題ないかと言えば、高齢者などバリアフリー対応が必要な
人はシートまで上るだけでも一苦労なのは間違いないわけで、キャビンクルー
のサービスにしても、上段の人に食事や飲み物を提供するのは、かなり面倒な
ことになりますし、熱い料理や飲み物を手渡す時のリスクがあります。
飛行時間60分以内の短距離路線だとしても、搭乗時間が通常のキャビンよりも
長くかかるのは確実ですし、機内清掃も通常のレイアウトよりも時間がかかり
折り返し便の出発までにも時間がかかるようならば、一般席の5%から10%程
の乗客数が増えたところでロスタイムの無駄の方が大きいんじゃないかな。
シートピッチは31-32インチということで、一般的な航空会社の国内線並みに
なるので、数字の上では狭くないかも知れませんが、モニターもなく下段の人
は、ずーっと前席の人のお尻の位置に顔があるわけで居心地が良いとは決して
良いとは思えませんけどね、日本の大手航空会社が導入に興味を持っていると
このシートの開発会社の広報担当者は言っているらしいですが、日本航空とか
全日空が、わざわざ評判を落とすようなシートを導入しますかね?
担当者は、「夜のフライトでは下段、昼のフライトでは上段が人気になる」と
自信を持っているみたいですが、この会社が開発した立ち乗りのシートも以前
話題にはなりましたが、導入した航空会社は聞いたことがありません。
いくらチケットが安くても、こんなシートの飛行機は乗りたくありません。
フルサービスの航空会社は必要としないでしょうし、LCCではナローボディの
機体が主流なので、このシートも、どこにも採用されないんじゃないのかなと
思いますが、どうなんでしょうね。