日本が調査捕鯨を続けていたことについて、海外のみならず国内でも賛成派と
反対派が存在するわけで、簡単に結論が出ることではないわけですが、個人的
にはミンククジラやザトウクジラを調査捕鯨という名目で殺すことについては
反対です、科学的な調査をするのであれば現代は発信器を使うこともドローン
を飛ばすことも難しい技術の要ることではありませんから、実際に数百頭もの
鯨を殺さなくても調査は出来たはずです。
現在は調査捕鯨ではなく商業捕鯨として実施していますから、元々から調査を
する気があったのか?という見方が出来ますが、政治家が絡んでいますからね
あの職業の人たちが積極的に関与してくる時というのは、あまりロクでもない
裏のからくりがあることが多いですね。
そんな曖昧というか、言葉を誤魔化すよりも調査結果に基づいて環境に影響の
ない範囲で商業捕鯨として計画を公表して透明性のある捕鯨をすれば良いわけ
であって、調査捕鯨と言いながら捕殺した鯨を解体して高級料理店に売ったり
している裏表のある構図に問題があったのは確かだと思いますが、今回は日本
ではなくデンマークの自治領であるフェロー諸島の話です。
日本以外で捕鯨をしている地域として知られるデンマーク領、フェロー諸島で
過去にない大規模なイルカの虐殺が行われて問題視されています。
日本の和歌山県でも行われている追い込み漁(鯨の群れを見つけたら、逃げ場
がないように船で囲んで、船べりを叩いたりして大きな音を立てて鯨を浅瀬に
追い込む)の形態で、浜辺で待ち構えていた漁師が銛で突いたり、刃物で首を
切って殺す漁で、海中に流れ出す血によって、まさに血の海になります。
伝統的な漁だからと言われますが、100年前にエンジンボートはあったのかと
言えば、それはなかったわけで、手漕ぎボートで村人たちが鯨よりも遅い速度
で鯨を追うならまだしも、鯨よりも速いエンジンボート、モーターボートなど
技術的に最先端の動力ボートを使って、逃げ場を作ることもなく、一網打尽に
するような漁を伝統的な漁とは言わないですよ。
毎年、約600頭のゴンドウクジラが捕殺されているフェロー諸島ですが、今回
の追い込み漁では、ほんの一日(実質的には半日もかかっていません)だけで
1420頭以上のタイセイヨウカマイルカが殺されています。
島の代表は苦しませないように一頭のイルカを殺すのに一秒もかかっていない
と言っていますが、100人も漁師がいるわけもなく、仲間のイルカを突き刺す
様子を見ているイルカが何百頭もいる中で、痛みも苦しみも感じないまま死ぬ
なんてことはありえないことだと思います。
イルカが殺される場面が続きます。見ない選択もあります。
特別な銛を使ってイルカやクジラの延髄を切断すれば、という注釈付きの一秒
ですが、1,400頭以上ものクジラを全く失敗することなく確実に一秒かけずに
即死させられるか?と問われて、イエスと答えたらその人は大嘘つきです。
殺したイルカは島の住民で分けたと言いますが、一頭のイルカが100kgとして
1,420頭もいたら、14トンですよ。それも写真で見る限り浜辺には1,000人も
いないと思いますから、無駄に殺されたイルカも相当いたはずです。
伝統漁と言うなら最初に書いたように手漕ぎボートで、沖まで出て魚群探知機
なども使わないようにするべきですし、もしも想定以上に群れが大きかったら
完全に追い込む前に逃げ場を作って逃がすべきです。
動物を殺すのに人道的な方法などあるわけがないですよ。
生き物を殺すからには罪を受け入れる心構えは必要であり、人道的なんて言葉
で逃げ道を作ってはいけません。そして伝統文化の継承だというのなら最低の
必要な命だけを奪うようにするべきです。海を赤く染める権利など、地球上の
生き物の一種である人間だけになどあるはずがありません。