全国のミンクを全て殺処分するように命じたものの、デンマークの法律で実際
に感染が確認されていない地域に、強制的に殺すことを命令する権限がないと
いうことが発覚したために後追いで法律を作り始めるという不手際が発生して
デンマークの食品農業大臣は辞任しました。
日本でも鳥インフルエンザの感染が発覚するとニワトリが、豚コレラの感染が
拡大すると豚が殺されていますが、殺して処分するという言葉自体に生き物に
対する心遣いが全くないので、感染拡大を防ぐという意味があるにしても言葉
として「殺して処分する」ではなく「安楽死対応」とか別の言葉を使って表現
するようにして欲しいと思います。
言葉はともかくとして、世界最大の毛皮供給国で毛皮を目的として飼育されて
いたミンクが全て埋められてしまったことから、デンマークで開催されている
毛皮のオークション「コペンハーゲン・ファー」が数年内に廃業になることが
発表され、今回、殺されたミンクたちは人間の都合で殺されてしまいましたが
数年のうちにデンマークで飼育されて、皮を剥がれるミンクはいなくなること
が確定的になりました。
ミンクやチンチラなどが生まれながらに持っている毛皮を残酷な方法で殺して
剥ぎ取り、着飾るだけのためにコートなどの服飾品に使っている会社は徐々に
取り扱いを中止していますが、さらに多くの毛皮取り扱い企業が毛皮を使って
収益を挙げるビジネスから手を引くことになるきっかけになるのならば、今回
大量に殺されたミンクたちも少しは報われるのではないでしょうか。
日本では、神田うのやデヴィ・スカルノなどの金満系の下品な芸能人が喜んで
毛皮のコートを見せたりしていましたが、自然との共生が重要視されている今
この世の中で、そんな恥知らずなことをしている人は芸能人とか一般人とかに
関係なく、侮蔑の対象となるのが世界の常識になりつつある中、日本の国内に
おいても動物の毛皮の販売業者や毛皮を着て歩いている人に対して意識改革を
促すべきだと思いますが、日本はメディアは意識が低いから難しいかな。
ちなみにグッチはすでに毛皮の使用禁止を宣言し、シャネルも毛皮のみならず
ヘビやワニの皮を使った皮革製品を廃止することを宣言しています。
合成繊維や合成皮革では質感が悪いというのであれば、植物繊維や刈り取った
毛を使った製品もあるのですから、それらをうまく利用するのが人間の知恵で
あるわけで、知恵を使えないから毛皮を使うようでは原始人です。