要するに、今年になってコロナ禍による影響で、エアアジア・ジャパンの路線
は実質的に半年以上もの間、運航されていなかったわけですが、それでも復便
を信じて航空券を買っていた人(エアアジア・ジャパンにとっては、神様的な
存在のはずです)が支払った航空運賃は払い戻しされないということです。
今年の8月1日に福岡線の運航が始まり、久し振りに福岡に行こうと計画をして
いたので、エアアジア・ジャパンも選択肢に入れましたが、とんでもなく早朝
の時間帯だったのと、運航開始から約二週間で運休になったので、予約しても
飛ぶ保証はないな…と考えて、ジェットスターの予約を入れました。
現在、日本のLCCの主流になっているピーチアビエーションとジェットスター
・ジャパンは、それぞれに全日空と日本航空の小会社ということで、運航停止
になったとしても、払い戻しが出来ないほどの状況にはならないだろうと一応
リスク回避も考えたので、無事に福岡に行くことが出来ましたが、もしも地元
が拠点だからとエアアジア・ジャパンを選んでいたら、福岡に行くことは断念
さらに支払った航空運賃は帰ってこなかったということになります。
設立された時から何か月も運航が開始されず、ようやく飛び始めたと思ったら
非常識と言っても良いレベルの早朝発(始発電車に乗っても間に合わないので
前泊するしかない=それならば早めに予約を入れれば全日空の方が安い)とか
運休が多いとか、イメージが悪かったので結局、一度も乗っていません。
エアアジア・ジャパンの株主は約半分がマレーシアに本拠を置く、エアアジア
で、残りを楽天、ノエビア、アルペンが保有していますが、どの会社も日本で
航空会社の経営に参画しているわけではありません。
ノエビアは自社保有のビジネスジェットをCMに登場させていましたが、当然
お客を乗せて営業していたわけではないので、初代のエアアジア・ジャパンが
コケた後で、二代目エアアジア・ジャパンが設立されると聞いた時に、株主が
楽天などの三社だというのを知って、LCCが儲かると夢でも見ているのかな?
と不思議な感じを受けましたが、運航停止までの動きを見てきて、公共交通
機関を運営している自覚はあるのだろうか?と疑問を感じたのが実際です。
現実として破産した時には最優先で確保されるのは公租課税(未払いの税金)
で、次に確保されるのが未払い賃金など労働者保護の分なんですが、実際には
公租課税の6億円も支払うことが難しいということなので、運航乗務員と地上
職員の未払い賃金は国の未払い賃金立替制度でなんとか支払われそうです。
そんな感じで、ほとんどお金がない状態になっているので、次の段階の債権者
(チケットの購入者)は払い戻し無しになりそうです。
リースしている機体を返却する費用もないぐらいなので、セントレアに駐機中
の機体の駐機料さえ空港会社に支払われなさそうですが、株主として取締役を
派遣しているエアアジアや楽天、ノエビア、アルペンは顧客が返金することは
ある種の義務だというように思いますが、いかがなものなのでしょう。