試合前に井上尚弥対ジェーソン・モロニー戦の見所を解説していた、元三階級
チャンピオンの八重樫氏が指摘していた通り、6ラウンドの初めにカウンター
の左フックで一度目のダウンを奪い、続いての7ラウンドに左ジャブでペース
を作った後、カウンターで入った右ストレートでダウンを奪って、2分59秒で
10カウントとなりKO勝ちになりました。
メディアでは「モンスター」とか「怪物」なんて書かれていますが、試合後の
インタビューなどでも礼儀正しい井上尚弥選手には似つかわしくない呼び方と
思いますので、もう少し気の利いた表現を考えてもらいたいものです。
今回の勝利でWBA、IBFのタイトルを防衛しましたから、次はWBCとWBOの
タイトルということになりますが、WBCのチャンピオンは昨年のWBSSの際に
井上尚弥の弟の井上拓真(当時の暫定チャンピオン)との統一戦で勝って王者
になったノルディーヌ・ウバーリですが、12月にノニト・ドネアとの防衛戦が
控えているため、この試合の勝者が相手になります。
年間最高試合に認定されたノニト・ドネア(負傷した井上尚弥の右目への攻撃
をすることなく正々堂々と戦った紳士)との再選になれば、それはそれで苦戦
しそうですが、良い試合になると思います。
また、WBOのチャンピオンはジョンリール・カシメロで、元々は4月に対戦が
予定されていましたが、コロナ禍の影響でキャンセルになり、カシメロは8月
にガーナと選手と試合をして防衛していますので、次の対戦相手として指名が
あるかどうかという感じですね。
そして、WBAには正規チャンピオンとしてギジェルモ・リゴンドーがいます。
どういうわけかWBAは正規とスーパーの二人のチャンピオンを作りたい団体で
現在、井上尚弥はスーパーチャンピオンなので、リゴンドーと同一団体統一戦
という選択肢も残っているのですが、それはそれでWBAの勝手都合という感じ
なので、あまり興味をそそられない試合だと個人的には思います。
どちらにしても次の試合も楽しみにしています。怪我に気を付けて下さい。
井上尚弥選手・ラスベガスでKO勝ち
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