以前から予告されていたF1の2021年からのレギュレーション(規則)の
変更が承認され正式に発表されました。
レギュレーションの変更内容によってはメルセデスやフェラーリなど、予算の
潤沢なチームがFIAの統括するF1から離脱して新たにモータースポーツの
最高峰となるカテゴリーのシリーズを始めるのではないかという話も裏付けは
ありませんが流れていたこともありましたが、報道によれば満場一致で承認と
いうことなので、現在の有力チームが離脱するようなことはなさそうです。
技術的な面での変更点としてはフロントウィングがシンプルになるのに対して
リアウィングはより大きくなることと、1980年代のウィングカーほどでは
ありませんが車体全体で空力をコントロールするグランドエフェクトが採用に
なることで、前を走行する車によるダウンフォースへの影響を50%から5%
から10%に低減させることが可能になりそうです。
今年、いくつかのレースで前走車による気流の乱れのためにコントロールミス
が発生してクラッシュ、リタイヤという事例がありましたが、そのような現象
が抑えられれば、より前走車との距離を縮めたレースが見られるようになると
いう見解で、実際にそうなればレースを観戦する観客もより緊張感が高まって
楽しい観戦になることでしょうね。
開発のルールとしてはチーム間の予算の差によるパフォーマンスの差を縮める
ことを目的に一部のパーツが標準化されると共に、ブレーキパッドなどは交換
の回数が制限され、風洞テストやインシーズンテストの時間や回数も制限され
ギアボックスなどの設計も制限されるようになり、開発に要するコストを削減
して開発予算の上限が決められるため、ワークスチームとカスタマーチームの
開発予算の差がなくなることから、多額のコストをかけたマシンが速くなると
いう図式ではなく、技術力、発想力による差が出てくることになりそうです。
各チームの年間コストは一律1億7500万ドル(年間21戦の場合)になり
予算ルールを破ったチームはチャンピオンシップの剥奪というもっとも不名誉
なペナルティを受けることになるようです。
パワーユニットについては、現在のハイブリッド1500ccV6ターボから
3000ccの自然吸気でV8とかV12(排気音が大きくなることで迫力が
増すという話がありました。)が、現在のパワーユニットの開発に投入された
膨大な研究開発費が無駄になるというエンジンマニファクチャラーからの反対
が正論だと認められたことから変更はありません。
今までのパワーユニット交換制限の中に、エキゾーストシステムが加えられた
ことにより6回目の交換以降はペナルティが科せられます。
2021年からのパワーユニットの根本的な変更は同じスタートラインからの
開発競争に乗り遅れたホンダにとっては挽回の機会だという話もありましたが
今年、フェラーリ、メルセデスに近付いてきたホンダにとっても新たな開発を
するよりも現在の規定のままの方が開発費も抑えられ、予算の高騰による撤退
という方向に進むリスクは減らせるということになると思います。
後、見た目で大きな差があるのはタイヤのホイール径が13インチから大きく
拡大されて18インチになるので、単純に考えればタイヤのたわみが減少して
タイヤのトラブルが減るのかな?とか思いますが、一般のラジアルタイヤでは
ないので大きな違いはないのでしようかね?ここは今一つわかりません。
ルックス的には速く見える気はします。
全体的に車重が25kgほど重くなり、2020年との比較でトップスピード
が落ちると予測されていますが、まだ一年先なので実際にはどうなるか誰にも
わからないというのが本音なんじゃないのかなと思っています。
ということで、2021年の参戦は未確定となっているホンダの参戦もコスト
の削減が確定になったことで確定になれば良いなという感じです。
とりあえずは今年の残り三戦(アメリカ、ブラジル、アブダビ)で、一年間の
有終の美を飾れることを期待しています。