こと、ジョン・トラボルタと当時の歌姫だったオリビア・ニュートン・ジョン
が共演したミュージカル仕立ての学園ドラマが「グリース」です。
この映画が流行った頃は、日本でも髪の毛にポマードとかチックなどの整髪油
を塗って、いわゆるリーゼントスタイル(単にひさしとも言っていた)の髪型
にした突っ張り兄ちゃんがいたものですが、この髪型を整えるために使う油の
ことをグリースと呼ぶわけで、映画に出演していた俳優も皆さんリーゼントの
突っ張り兄ちゃんに扮してハイスクール生活を演じていたのでした。
この頃の私は高校生で品行方正ではありませんでしたが、突っ張り兄ちゃんの
グループとは一線を画していたので、彼女が妊娠したようだとか煙草の銘柄の
話題には対応できませんでしたが、全く付き合いがないわけではなかったので
映画「グリース」の話題が共通したことはありました、というような内容では
ありましたが、バカっぽいけど後腐れのない映画でした。
そんな「グリース」の前日譚を41年も経った今頃になって製作しようという
意図が今一つ理解不能ではあるんですが、恋が実ったダニー(トラちゃん)と
サンディー(オリビア)が、サンディーが転校してきて偶然に高校で再会する
前に、夏休みのひと夏の恋として出会った二人を描く映画になるようです。
当時でさえ高校生役を演ずるにはちょっと実年齢が…と言われていたぐらいで
トラちゃんは24歳、オリビアは30歳で高校生を演じていたのですが日本と
違って詰襟の学生服とかセーラー服じゃなかったのが救いだったと思います。
共演者も年齢的には同じぐらいの人ばかりで、実年齢が10代の若者は皆無の
青春映画ですが、ロックンロール系のミュージカルにしたものの1970年代
始めの頃のロックンロールを自然に踊れる人は、10代ではいなかったために
平均年齢30歳代の高校生を揃えるしかなかったようです。
現在は癌闘病中のオリビアが映画に出るのは難しいというか、前作の設定より
前の時代の話なので当然、前作に出演していた人たちの出番はないはずですが
祖父の役とか避暑地の管理人みたいな役柄でトラちゃんは出るかもね。
41年も前の映画の更にその前の出会いを描く、というような少々無理のある
設定でも映画にしなければならないほど、ハリウッドでも原作不足は切実だと
いうことかも知れませんが、この映画がヒットするかと言えば難しいだろうね
としか思えないのが現時点の感想です。