昔から三大成人病(今は生活習慣病と言われていますが…)という言葉がある
ということを知らない人の方が少ないかと思いますが、がん・虚血性心疾患・
虚血性脳疾患が日本の40代以上の世代の三大死因になっています。
がんはリスク要因も様々で、ある部位には有用なことが別の部位の発症原因に
なるような場合もあるために、がんを予防するということは難しいのが現状で
早期発見・早期治療が克服の基本になっています。
それに対して、心臓や脳の虚血性疾患は動脈硬化や高血圧、糖尿病などの年齢
を重ねて行くことで受け入れざるを得ない、一種の老化症状が主原因になって
いるため、コレステロール値や血圧、血糖値のコントロールで発症を予防する
ことができるという考え方が健康診断実施の元々の考え方です。
最近では脳内出血や脳梗塞について、さらに踏み込んだ予防対策として従来の
健康診断や人間ドックに項目をプラス(自費です)して、脳ドッグを実施する
医療機関が増えてきています。
以前は脳ドッグの結果、脳動脈瘤が見つかっても何ミリまでなら手術する必要
があるのか、ないのかについて明確な判断基準が無かったのですが、現在では
日本脳神経外科学会が調査をした結果が発表されました。
その基準は、3-4ミリの大きさの動脈瘤を1とした場合の大きさの比較値で
7-9ミリだと3.35倍、10-24ミリだと9.09倍となり、25ミリを超えた
場合は、いつ破裂してもおかしくはないレベルというになります。
もっと具体的に表現すると、7-9ミリの脳動脈瘤がある人は60人に1人の
割合でくも膜下出血のリスクがあり、10-24ミリの場合だと更にリスクは
高まって、20人に1人の割合で脳動脈の破裂=くも膜下出血の危険があると
いうことになっていて、単純に1センチを超えた場合は死亡リスクは相当高い
と覚悟する必要があるわけです。
現在の進歩した医療体制の下であっても、急性くも膜下出血を発症した場合は
亡くなる例も少なくはありませんし、緊急手術をしても重い後遺症が残る人も
いて、運の良い人で全く後遺症が残らない人という割合は残念なことに高くは
ないのが現状ですので、脳内の血管の状態を調べることの出来る脳ドック受診
は30歳以降を元気に過ごすためには必要かもしれません。
ちなみに脳ドックの料金は最低1万3千円から有名病院の十万円以上まで非常
に幅が大きいですし高ければ良いわけでもありませんから、近隣地域での情報
を集めて比較検討をしてから行かれることをお勧めします。