経済面と環境面を考慮して、エアコンを停止させたまま部屋の中で陽射し
から逃れる人も相当数いるようですが、昔とは違って特に都市部では高い
温度の空気が上空からだけでなくアスファルトの照り返しによって下から
も上がって来るヒートアイランド現象で自然の空気だけ適温を保つことは
ほぼ無理な状況にあります。
一般に人間は体温が４２℃を超えると細胞が死んでしまうので４０℃まで
が許容範囲であり、それを超えてしまうと本人の意思によって体を守ろう
とする行動が出来なくなってしまいますので、屋外でも室内でも頭痛とか
吐き気がしたりして、体が熱を持っているように感じた時には、熱中症の
重症期に至る前触れだと思って熱中症の対応をしないと死にます。
熱中症で病院に連れて行くとしても緊急的に行なうことで症状を和らげる
ことの出来る方策はありますから、まず簡単に出来て効果的なことをする
必要があります。
医師でなくても出来ることは二つあります。
一つは体を冷やして体温を下げること、もう一つは水分を摂ることです。
女性を裸にするわけには行きませんが、出来る限り軽装にして濡れタオル
をかけて扇風機で冷やすこと、もしも氷があればビニール袋に水と一緒に
入れて（あまり多くしない）わきの下や脚の付け根（股間部分）首の後ろ
など大きな血管が通っていて、血液を冷やすことが出来る場所を冷やすと
体温を下げる時間を短縮できます。
但し、あまり急激に体温を下げると熱中症によって体温の調節機能が変調
をきたしていますから、体温が下がり過ぎてしまうので、３８℃程度まで
下がった段階で氷水によって下げることは止めるようにします。
ある程度、体温を下げて水を飲める状態になったら水ではなく塩分と糖分
を混ぜた経口保水液を飲ませます。
体温が上昇したことで水分とミネラル分が汗として出てしまっているので
水だけを飲ませると体内のバランスが崩れて体調を崩してしまいますので
水１リットルに砂糖４０ｇと塩３ｇを溶かした保水液を飲ませます。
スポーツドリンクがあれば、それで良いですが家に常備してなくても砂糖
と塩なら一般家庭にあると思いますので、手早く混ぜ合わせて作ることが
出来ますので、冷蔵庫に余裕があれば冷やしておくと良いでしょう。
基本的に素人が出来るのはここまでです。
ぐったりして呼びかけても意識が朦朧としているとか、水を飲むことさえ
出来ない状態の人に経口保水液を飲ませることなんて出来ませんから早急
に救急車を呼んで病院で治療してもらうようにして下さい。
水だけではなく塩分を摂ることが大切ですから、外出時にはおつまみ用の
小梅やのし梅（梅干しの種を外してのばした物）などを持って行くと急激
な意識の喪失を避けることが出来るはずです。