そうは言っても、やっぱり「家族はつらいよ」を観に映画館に行くと若い
世代の人はほとんどいなくて、私と同世代の人(大半が女性)かもう少し
人生の先輩の人達(この世代の人は夫婦が多い)ばかりです。
私と同世代の場合は、身につまされるエピソードもあるもののまだ笑える
感じですが、もっと上の高齢者夫婦の場合はリアリティがあり過ぎて喜劇
の割には笑えないみたいな部分もあるような感じもしますが、映画全編を
通して観ると家族の良さを感じる山田洋次監督らしい作品だと思います。
一作目は高齢者夫婦の離婚がテーマになり、橋爪功と吉行和子の高齢夫婦
の離婚話が中心で、二作目は高齢者の運転免許の返納の問題や老いらくの
恋もどきのエピソードを挟みつつメインになっているのはワーキングプア
の問題と高齢者福祉というか、必死に働いた高齢者が年金の少なさのため
リタイアすることが出来ない社会制度に対する批判や突然亡くなってなお
行き場のない独居高齢者の悲哀が映像化されています。
そして三作目は家族を支える専業主婦の存在が大きなテーマとなっていて
タイトルも「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」になっています。
失礼ながら山田洋次監督も御年86歳、主役を演ずる橋爪功さんも76歳
吉行和子さんも82歳と、これから10年先、20年先になっても映画を
作り続けることが出来るかは霧の中という感じですので、主要キャストと
監督が元気なうちに、なるべく早いペースでシリーズを続けて欲しいなと
そのように思っています。
家族の問題で悩んでいる方は、過去に上映された一作目はDVDが発売中
二作目は11月3日に発売されますので観てみて下さい。
家族の小さな悩み事は自分の家だけじゃないことが実感できて、今よりも
心の重しが軽くなる気がします。
家にも高齢の母親がいますが映画を観て、同じようなことをする人も存在
するんだろうな、と視野が広がった気がしました。
「家族はつらいよ」三作目の撮影開始
- シネマクラブ