昨年の12月に、プライベートでスキー中に岩に頭をぶつけて意識不明の
重体になったF1の元世界王者ミヒャエル・シューマッハーさんが人工的
な昏睡状態から徐々に意識を回復させる治療を始めることが広報担当から
発表されました。

脳に障害を負った場合、脳が発熱して脳細胞に悪影響を与えることを抑止
するために全身の体温を低く保って人工的に冬眠状態のような昏睡状態に
して脳の自然回復を待つ方法が取られますが、今回のシューマッハーさん
も頭蓋骨を取り外した状態で、脳の圧迫を緩和しつつ人工的に昏睡状態に
して様子を見ていたということで、体温を上げて意識を覚醒させる方向に
進めて行こうということは、脳にダメージが及ぶ状態を脱したと見て良い
ということだと勝手に想像して、朗報だと思っています。

事故直後は救命治療を行ない、その後はストレスを与えたりしないように
経過観察的な状況でしたが、意識を覚醒させてリハビリに移行させようと
いう積極的な治療に転換することで、フォーミュラカーを世界で一番速く
走らせることは無理でも、日常生活が出来るようになればそれで充分だと
思いますので、早く昏睡から覚めて社会復帰できるように祈っています。

奇跡の人びと―脳障害を乗り越えて (新潮文庫)
中村 尚樹


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