民族の独立を目的とするイスラム武装勢力・モロ民族解放戦線のメンバー
によって襲撃を受けたフィリピン・ミンダナオ島の商業都市サンボアンガ
で、和平協議に応じない反政府勢力と政府軍・警察の混成部隊が全面衝突
となっていて、治安部隊による攻撃で複数の地区で火災が起きています。

反政府勢力側は市民を拘束して「人間の盾」として抗戦を続けていますが
テロには屈しないという強い意思を示しているアキノ大統領とそれを支持
する軍によって人質の安全が確認できる範囲内で、空爆が始まったという
情報もあり、双方の死傷者がさらに増える危険性が出ています。

海から上陸した反政府勢力に追い立てられた住民数千人が避難している中
約180人と見られる反政府勢力は、市街地の店舗や住居などに分散して
潜伏しているということで、空爆であぶり出されたメンバーたちが人質に
銃を向けるかどうかも含めて検討し、作戦に生かすという方向で和平より
徹底した戦いを望んでいるようにも見られます。

平和な日本では想像も出来ないことが、数千キロ離れた場所で現実として
起きていますが、日本国内ではほとんど報道されることもありませんので
少しは世界で起きている現実に目を向けるようにするべきだと思います。

地域紛争の構図
月村 太郎


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