5年前の2008年7月5日に公開された東映配給の日本映画で28年前
に起きた、日本航空123便の墜落事故を取材する新聞記者チームが極限
状態の現場で取材活動をする様子を描いた映画です。

1985年8月12日、夏休み中の帰省客や東京ディズニーランドで遊び
大阪へ帰る乗客で満席状態だった羽田発大阪行きの日航機が群馬と長野の
県境にある御巣鷹山の尾根に墜落し、524人の乗員乗客の中の520人
の方々の死亡が確認された、日本の航空機事故史上最悪の事故が発生した
時点から、新聞記者が現場へと出向き、多くの困難を乗り越え現地からの
記事を配信した原作者の経験を元に書かれた小説を映画化した作品です。



題名のクライマーズ・ハイというのは、異常な興奮状態のために恐怖感が
麻痺してしまうという現象のことで、この映画の原作者の横山秀夫さんが
上毛新聞社(群馬県の地方紙)の記者時代に起きたジャンボ機の墜落事故
で現場に常駐することで、実際に経験した体験から、クライマーズ・ハイ
という題名がつけられたとされています。

映画自体の内容についてはあまり評判が良いとは言えませんが、同じ原作
をドラマ化したNHKのスペシャルドラマは評判が良いので、原作自体は
そんなに悪くはないのかも知れません。

アメリカの大規模テロの際には、数年以内に関連の映画がいろいろな視点
から製作されたのに対して、日本の場合は事故が起きてから20年以上の
歳月が経ってから映画化されていて、犠牲者に対する想いなど情の部分が
強い日本人の心情が関係するんだろうなと思っています。

日航機の墜落事故については、520人という膨大な犠牲者が出た事故で
あるだけに、報道関係者だけでなく一般の人も常態ではなく、興奮状態に
巻き込まれていたように思いますので、新聞記者が実際の現場で何を感じ
どのような意志を持って記事にしたのか?という題材自体に興味があって
映画かドラマを観てみようと思いつつ、現時点でまだ観ていません。

墜落の夏―日航123便事故全記録 (新潮文庫)
吉岡 忍


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