若かりし頃に観た映画の中でも、死ぬまで忘れないだろうなという作品が
何本かあるわけですが、その中には今のスプラッターホラーの先駆けとも
言えるような映画で「キャリー」という映画がありました。

演出をしたのはブライアン・デ・パルマという監督で、この人のお父さん
は外科医だったそうで、子どもの頃の実体験の中にある「血」のイメージ
を映像化するというのが得意と言うか、特技と言うかとにかく、そういう
監督なんで、この人が撮った映画は血が噴き出すシーンが多いということ
で有名でした。(その後の映画もそんなのが多い)

ハイスクールでクラスの同級生に虐められていたキャリーが、初潮を迎え
生理の知識がなくて狼狽する彼女に同級生達が生理用品をぶつけて虐める
シーンなんて女の怖さがリアルで壮絶でございましたが、ラストシーンの
内容まで書いてしまうと、半年後にリメイク版を観る楽しみを奪うことに
なるかも知れませんのでラストまで書くことは自粛します。



少女が大人の女性になる、その時の心の動き、大人になることへの不安と
喜び、身体が成長して未知なる世界へと飛び出す期待などを凝縮したのが
キャリーのテーマだということなので単に怖がらせるだけの作品ではなく
思春期の少女の心理を疑似体験する映画だということになります。

半年後に視覚的な怖さというよりは、肌感覚の怖さを体験しに映画館へと
足を運んでみて下さい。(内容は詳しくはわかりませんけどね。)

怖いけれど、それ以上に人の尊厳を傷つけることによって引き起こされる
哀しい出来事を描いた映画だとも思いますので、特に多感な時期を過ごす
少年・少女に観てもらいたい作品だと思います。

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