それとは別にライオンなどの肉食動物の食べ残しを始末するというイメージで
スカベンジャー＝腐肉食動物（腐肉を好んで食べる掃除屋）と考えられている
ハイエナ（外見は決してカッコ良くないのは事実だとは思います）という動物
もいますが、ハイエナは決して残飯整理係ではありません。
ハイエナに限らず、ケニアやタンザニアなどの野生動物の宝庫とされている国
では密猟や生息区域内での気候変動などにより、野生動物の個体数が減り続け
地球上から消えてしまう危機的な状況が続いています。
絶滅が間近とされる危急種としてはパンダ（ジャイアント、レッサーともに）
ラッコなどが指定されていますが、比較的、残る希望があるカテゴリーとして
準絶滅危惧種として指定されているシマハイエナでさえも現在の個体数は推定
で5000～1万4000頭とされていて決して楽観視できる数字ではありません。
ハイエナのような肉食動物は食べても美味しいわけでもないですし、そもそも
家畜や家禽が飼育されている現代で、食用を主目的として狩られる動物は多分
存在しないと思います。（増えすぎたために管理を目的とされている狩猟鳥獣
が大半だと思われます。）
また、ハイエナは美しい被毛に包まれているわけでもありませんが、ゲームと
して遊びの狩猟の獲物として殺されていることもあり、今後も同じように減少
が続けば20年、30年後には地球上から姿を消してしまう危険性は大きいです。
人間だけが偉いわけではなく、人間だけに地球が与えられたわけでもないこと
を多くの人は認識していると思いますが、そう認識している常識人には、銃も
権力もなく、地球上の資源は人間の物（自分自身のモノ）と思っている非常識
な人間たちが金にモノを言わせて権力も武力も持つという不条理が、地球上の
生態系のバランスを崩していると思っています。
ただ、権力のない人にも言葉を発すること仲間と力を合わせることは出来ると
思いますから、環境保護のために声を上げて行くことを続けて行くことは大切
なことだと思いますし、微力ながら支援をするようにしています。
という話はともかく、ハイエナと聞くと死肉をあさるとか、大型の肉食獣から
おこぼれをもらって食い漁る掃除屋みたいな存在だと思われている方が多いか
と思いますが、ハイエナは勇敢に賢く猟をするハンターです。
しょぼくれた犬みたいな外観なんですが、ライオンと同じく食肉目で15頭前後
の群れで行動し、強いメスがリーダーとなって統率し、その後を継ぐのは強い
母から生まれた強いメス（第一氏…人間風に言えば長女）という女系の群れで
リーダーが指示するチームワークで草食動物を倒して食料にしています。
シマウマを倒したところにライオンが現れて大きな体で威圧して獲物を横取り
して内臓などのミネラル豊富なところを食べてしまい、その残りを食べる羽目
になるのでライオンが狩った獲物の後始末係のように見られていますが、本当
はその逆だということをハイエナに代わって理解してもらいたいです。
体の大きさに差があるので余程のことがない限りは、デカイ図体のライオンに
獲物を譲っていますが、本当にお腹を空かせている時には、その強靭なあごで
ライオンを攻撃して追い払うこともあります。
ハイエナさんは決して弱虫の残飯整理係ではありません。
Disney映画の「ライオンキング」も、ハイエナに対する誤解を増長していると
思いますので、「ハイエナエンペラー」的な映画も作るべきだと思います。