天才・福永洋一騎手の息子として競馬界にデビューして、騎乗が下手だと批判
されながらも、エイシンプレストンで香港マイルと、クイーンエリザベス二世
カップを連覇し、シーザリオではアメリカンオークス、さらにジャスタウェイ
ではドバイデューティーフリーで優勝して海外GⅠを五勝、コントレイルでは
無敗でクラシック三冠を達成するなど、かなりの活躍している福永祐一騎手が
来年二月で引退します。
調教師試験に合格したことにより、来年二月いっぱいでジョッキーを引退して
乗り役から、トレーナーへと転身することが決まり、ジョッキーとしての最後
の仕事になるレースは、来年の2月25日にサウジアラビアで開催される、GⅢ
格付けのリヤドダートスプリント(ダート1200m)にリメイクで出走です。
リメイクは、コントレイルと同じくノースヒルズの生産馬で、コントレイルで
三冠制覇を達成した福永騎手に対して、オーナーの前田幸治さんから調教師に
転身する餞別の意味があるように思います。
コントレイルによる三冠以外にも、プリモディーネとラインクラフトの桜花賞
ダイワエルシエーロと、シーザリオとローブデコルテの優駿牝馬(オークス)
種牡馬として大活躍している、エピファネイヤの菊花賞、ヴィブロスの秋華賞
ワグネリアンとシャフリヤールの東京優駿(日本ダービー)、そして皐月賞は
ジオグリフで勝って、牡馬、牝馬のクラシックレースは完全制覇しているので
偉大なジョッキーであることは間違いありません。
1976年生まれの福永騎手に対し、1969年生まれの武豊騎手は7歳年上ですが
まだまだ現役を続ける意向を表明していますが、福永騎手は落馬事故で片方の
腎臓を失っていますし、去年も香港で落馬事故に遭って鎖骨を骨折して二か月
競馬を休むことになりましたから、落馬事故で生死の境をさまよったお父さん
のこともあるので、毎レースでリスクを背負うジョッキーという仕事を離れて
サラブレッドを調教する仕事を選択する気持ちは分かるような気がします。
3月からは今までの拠点である栗東に福永厩舎を開業して、トレーナーとして
活動を始めることになるかと思いますので、重賞レースの優勝を目指して精進
してもらいたいところですが、有力馬主との良好な関係もありますから、近い
将来にGⅠで勝利する場面を見られることだと思います。
残り二か月の騎手生活で、事故に遭わないことを祈っています。