今年は全国的に猛暑だった影響で、天然のキノコが豊作なんだそうです。
松茸は別格で、美味しいか不味いかというよりもステータスとして値段が付く
ものになっているので、毎年価格は上昇しているので豊作とか関係なく高いと
いうのが当たり前なので、話の対象にはしません。
それとは別に豊作だという話題に反応して、山の中へキノコを探していく人が
多いようですが、キノコがたくさん生えるということは、食べられるキノコに
限らず、毒キノコも例年より多く生えているということですからね、全国的に
毒キノコの食中毒も発生しつつあるようなので、普段からキノコ狩りなど全く
無縁で不慣れな人のキノコ狩りは相当気を付けないと危険なことになります。
もう10年以上になるでしょうか、トレッキングとか山歩きが流行している関係
で、あまりキノコについて詳しく勉強することもないまま、山の中へキノコを
探して入山する人も増えているようですが、それにも増して固定観念的な知識
を持った人によって引き起こされたキノコによる食中毒は減っていません。
知ったかぶりは最悪、友達や家族を亡くすことになります。
いつ頃だったか忘れましたが、名古屋の東山動植物園の植物園の林の中で採取
したキノコを、中国人留学生の夫婦が食べて、中毒症状に陥ったため血液交換
という大掛かりな治療を行なうことになり、奥さんはなんとか助かったものの
旦那さんの方は亡くなってしまうという事故がありました。
そんなわけで、キノコによる食中毒は深い山奥で採ってきたキノコにだけ発生
するものではなく、滅多に起こることの無い非日常的な出来事でもないです。
都会では、そんなに簡単にキノコなんて生えていないのでは?と思われるかも
知れませんが、意外なことに東京都内の小さな公園でカエンタケ(真っ赤な色
で鶏のトサカのような猛々しい印象があるので食べようとは思わないんですが
それでも好奇心で触ったりすると、触れただけで皮膚炎を発症することもある
非常に危険なキノコです)が見つかったとか、埼玉県内で群生しているとかの
話もあるので、絶対に触れてはいけません。
東京、埼玉、神奈川など都心部で、よく見つかっているカエンタケ
キノコによる食中毒は、場合によっては軽い下痢で済むものもありますが最悪
の場合は、腕に焼け火箸を突き刺して、グリグリと回転させられているような
痛みが一ヶ月以上も続くとか、指先や爪先にトゲが刺さった感覚が数か月続く
なんて症状が出たり、内臓がただれて痛みを押さえる術もなく、苦しみ抜いて
死に至るような猛毒キノコもありますので要注意です。
毒キノコの食中毒の場合、中毒症状を起こしてしまった後は痛みを抑えるとか
水分を補うとかの対症療法によって、症状を軽減させるという程度のことしか
出来ないことが多く、毒蛇や毒虫のように毒を血清で中和させるとか、中毒を
激的に治すことが出来る薬はありません。
俗説で、縦に裂けるきのこは大丈夫、だとか色の地味なきのこは食べられると
いう話もありますが、エリンギは縦に裂けませんが食用キノコですし、どんな
キノコであっても、自分には毒があるんだぞと威嚇はしません。
今年は山歩きをしながらキノコ狩りに挑戦してみようとを考えているとしたら
まず山歩きに慣れた人であることは絶体ですが、キノコに詳しいエキスパート
と言われるような人と入山するのが良いと思います。
長野には確かキノコ狩りの達人と呼ばれる人が経営しているペンションがあり
そこのオーナーがキノコ狩りの案内をしてくれて、夕食には自分たちで採った
キノコ鍋が出るという話を聞いたことがあります。