一般的な疾患に処方される薬を含む85種類以上の薬剤が、グレープフルーツと
反応することは約20年前に既に確認されていましたが、それ以降にも数多くの
新薬が登場し、薬剤とグレープフルーツの相互作用により健康に深刻な悪影響
を及ぼす危険性があることが確認された薬剤の数は、過去4年間の実績だけで
17種類から43種類に増加していて、突然死のリスクが三倍になっています。
グレープフルーツを特定の薬剤と組み合わせた際に危険になる理由は、薬剤の
成分とグレープフルーツが一緒になることで、薬剤を代謝する酵素を阻害する
作用があるために飲んだ薬剤が分解されないまま体内に残るため、薬剤成分の
血中濃度が上がって過量摂取したのと同じ状態になるためです。
本来の想定分解速度であれば、体内に残ることのない薬物が分解されないまま
残ることで、例えばコップ1杯(約200ml)のグレープフルーツジュースを薬
と一緒に飲んだ場合、胃腸からの出血や腎機能障害、呼吸器系の障害などから
最悪の場合は突然死という場合もあるほど、深刻な副作用が出る危険性が指摘
されていますが、現実的には患者がグレープフルーツジュースを飲んでいるか
とか、グレープフルーツを食べていることを医者に申告することなどないので
日常生活の中で重篤な副作用が出る危険性は高いと見られています。
ちなみに、グレープフルーツと相互作用することが知られている薬物の種類は
抗がん剤や心臓疾患の薬剤、鎮痛剤、統合失調症の薬剤などです。
縁起でもない話ですが、もしも街中で突然死なんてことになれば不審死として
解剖されることになるわけで、良いことなどは何もありませんので、リスクが
高いと警告されていることは避けるのが無難だと思います。
グレープフルーツで突然死のリスク
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