世界で環境保護に熱心な国というとニュージーランドとかオーストラリアなど
オセアニアの国々をイメージする人は多いですよね、逆に地球環境の保全活動
に関心がないと思われている国は、主に工業国とされている国で大気汚染とか
土壌汚染、海洋汚染など環境に大きな負荷をかけていると思われています。
日本はどう思われているのでしょう?と考えると、石炭火力発電所が多いので
地球温暖化に繋がる二酸化炭素の排出量が多いとはされていますが、最新型の
石炭火力発電所の大気汚染物質の排出量は旧型に比べると窒素酸化物(NOx)
は92%、硫黄酸化物(Sox)は83%、粒子状物質(PM)は90%削減されると
いうことで、環境に影響する負荷はかなり減っています。
なにごとも環境保護第一と考える人からすると石炭火力発電所はどれだけ改良
が進もうが廃止するべきだと主張する人がいますが、使用済み核燃料の完全な
無害化技術が存在しない現在において、火力発電所を原子力発電所に置換する
ことの方がかなり将来の地域環境に与える負荷は大きいと思うので、大気汚染
物質の排出量を減らしつつ石炭火力発電所の建て替えを進めるのは致し方なし
だと個人的には思います。
福島第一原子力発電所の放射能汚染水が、事故から10年経っても制御できずに
噴出し続け、日本政府は海洋投棄をする方針だとされている現状を冷静に俯瞰
したら原子力発電所で事故が起きた場合、人間が制御できるとは思えません。
前総理の安倍晋三は、全くコントロール出来てもいない放射能汚染水の流出を
完全に制御できていると嘘を吐いてオリンピックの誘致をしましたが、実際に
制御できていないのですからオリンピックの開催自体があってはならないこと
だと思いますし、嘘だと判っても推進するIOCにも不信感しかありません。
ここまで書いて本題からずれつつあるので元に戻すようにします。
温室効果ガスの排出量の話に戻しますが、工業国が温室効果ガスの排出抑制に
取り組んでいる反面、主要産業が牧畜業のオーストラリアには工業はほとんど
ありませんが鉱業は盛んで、鉄鉱石やアルミニウム原料のボーキサイトなどは
世界最大レベルの産出量です。
実は牧畜業によって排出される温室効果ガスの量は、航空・船舶・自動車など
による運輸業と比較して18%も多いという事実があります。
温室効果ガスは、自動車や飛行機から排出される二酸化炭素や窒素酸化物の他
自然界から放出されているメタンガスや、牛が草を食べて消化するまでに何度
か食べた物を口に戻すという反芻によって出るゲップもあります。
牛を大量に放牧している国では当然、牛由来のメタンガスが多く発生して世界
の人々に環境上の負荷を与えていることになります。
畜産業の生産実績では世界の牛肉輸出量の三分の一がオーストラリア産である
ということで、牛肉1kgの蛋白質と鶏肉1kgの蛋白質を比較すると、牛は鶏の
四倍の温室効果ガスを放出している計算になることからオーストラリアの牛肉
をブラジルの鶏肉に変えることで、畜産関連の温室効果ガスは現在の四分の一
まで減らすことが出来ることになります。(あくまでも机上計算ですが)
ということで、意外にもオーストラリア産の牛肉が地球環境に与えている負荷
は相当あるという事実がありますので、いわゆる工業国がほとんどの環境汚染
の原因であるわけではありません。
発がん性があるともされている牛肉の赤身を食べる量を減らすことで健康的な
食事になる上に、環境に与える負荷を減らすことも出来るということをもっと
国土交通省や経済産業省、厚生労働省などの省庁がアピールするべきです。