私が高校生の頃から、夏休みが終わって新学期が始まって、それからしばらく
の月日が経つと産婦人科と泌尿器科の繁忙期が始まる、と言われていましたが
現在になっても、その傾向はあまり変わらないというか、コロナ禍による生活
様式の変化が影響したとされていますが、2020年の現実的には夏休みの前段階
でさらに輪をかけて10代の妊娠も過去最高レベルになっているのが現状です。
アメリカでは10代の少女のうち4人に1人が少なくとも1種類の性感染症に罹患
しているという調査報告がありますが、日本においても決して対岸の火事とは
言えない状況で、若年層が感染する三大性感染症だと言われている病気である
(クラミジア・トリコモナス・性器ヘルペス)と、淋病の罹患者を合計すると
と多分、アメリカと同じく25%程度は感染していると推定されています。
日本の場合は相変わらず男女別々の純潔教育を主体とした性教育か生殖という
生物学的なアプローチでの教え方が多いわけですが、実際の性体験を想定して
避妊や感染症防止のために、コンドームの使い方を教えるようなことをすると
行き過ぎた性教育は子どもを壊すと信じ込んでいるPTAとかが、低俗な教育
だと言って糾弾するので、結局は性感染症の感染や望まない妊娠ということを
野放しにしてしまうことがわかっていながら、経口避妊薬=ピルの使い方とか
コンドームの使い方を教えられないわけです。
口と性器の接触では感染しない。(だからオーラルセックスは安全)
本当に好きな人とならコンドームを付けずにセックスをするのが愛の証。
コンドームは射精の直前に付ければ大丈夫。
高校生の避妊方法の一位がコンドーム、二位が膣外射精
※膣外射精は避妊とは言えません。
といったような間違った知識を訂正させることの出来ない大人が上から目線で
性教育をしている限りは、性感染症は増え続け不妊や子宮がんのリスクの増加
に歯止めをかけることが出来なくなってしまう危険性があるほか、妊娠中絶に
よって心身を傷つけることが続いているわけです。
日本の人口問題とか、女性自身の将来的なクオリティ・オブ・ライフといった
意味合いも含めて、もっと真剣に取り組まなければならないことのはずです。
リスクの高さという部分では、セックスをする相手が多ければ多いだけ妊娠や
性感染症にかかるリスクも高まっていくわけですから、あまり不特定な人との
性的関係を増やすということも止めるべきであるとはっきり言うべきです。
ただ、夏休みの間の行動には自制が必要だと思うんだよね、と言ったところで
当事者である高校生が聞く耳を持たないという部分があるのも、これまた現実
なわけなんですが、これもやはり上から目線で話をしたら聞く気も失せるわと
いう部分はあると思うんですよね。
セックスはしてはいけない、と最初に断言してしまったら話は進みませんから
性感染症の感染予防の必要性、望まない妊娠を避けるための正しい知識を適切
に説明すれば絶対に興味を持って聞いてくれるはずですから、そのような方向
でアプローチして、まず本人の体を守ることを教えてあげるべきです。