◇濃度を0.5%にした食塩水は大気中の酸素による食品の酸化を防止して変色
を防ぐことが出来ます。
◇魚の調理をする時に食塩を振り掛けることで余分な水分と生臭さを取り除く
ことが出来ますし、塩自体によって下味をつけることが出来ます。
◇濃度を1-2%にした食塩水には蛋白質を溶解させる作用があるので小麦粉に
食塩水を混ぜて揉みこむと腰のある麺類を作ることが出来ます。
自分でうどんを作ったことのある人なら小麦粉だけではまとまりのない粉が
塩を混ぜることでもちもちとした玉になることをご存知だと思います。
同じような原理を利用して魚のすり身と卵白を混ぜたものに食塩水を混ぜて
練り上げた原料を蒸して作るのが練り製品で、蒲鉾やはんぺんなどは塩の力
なくしては歯応えのあるプリプリ触感にはならないということです。
◇濃度を10%以上に調整した食塩水だと食品中の水分を脱水して雑菌の繁殖を
抑え保存期間を延ばす作用があり、この効果を利用して発酵させたのが塩辛
やからすみ、たらこなどの魚卵製品です。
以上のように、食材の殺菌や食材自体の性質を変えることによって食材の保存
期間を合成保存料などの薬品を使わずに伸ばしたり、食品添加物や品質安定剤
を利用しなくても加工食品の原材料を作ることが出来るという特性があるので
もしも食塩がなくなってしまった場合には、安全に食品を保存することや薬剤
を使わずに食品の加工をすることが出来なくなります。
一般的な味付けのベースという見方だけでなく、いろいろな用途に活用できる
塩をもっといろいろな角度から見直すことで食生活を改善し、塩分を健康的に
活用することも出来ますから塩の知識を正しく知ることは大切だと思います。
食生活に大切な塩の力
- 限定・季節の食材