志村けんさんが亡くなって、子供の頃から遠くにいる友達のような存在だった
人があまりにもあっけなく現世に別れを告げたことはやはりショックな出来事
だったわけですが、それに追い打ちをかけるようなお別れがありました。
15年程前から同じ職場で働いていた女性が急逝しました。
3月22日の日曜日に旦那さんと一緒にテニスをしていた時に、突然倒れたため
救急車で緊急病院に搬送され「くも膜下出血」の診断を受けたことが社内でも
親しい人だけに密かに告げられました。
同じ会社の人が偶然にも同じ公園でテニスをしていた時に、二面離れたコート
で女性が倒れてAEDを使っていたという話を後で聞いて、同じ場所で二人の人
が同じように倒れるなんてことはないでしょうから、病院に搬送された女性と
同じ人だということはすぐに理解はしましたが、AEDを使っていたという話で
言葉に出来ないような胸のざわつきを感じました。
くも膜下出血は脳内の動脈瘤が破裂する病気で、出血の量や場所によって予後
の差が出るとされていて、倒れた時の意識障害の程度によって出血場所や程度
もある程度は予見される（確定診断はもちろんCTが必要です）病気です。
倒れた時にその場でAEDが必要ということは心肺停止状態なわけですから脳内
の重要な場所で相当量の出血があったことは推察されますし、心肺停止状態が
長く続けば脳への酸素供給が止まりますから「死」「重大な後遺障害」を想像
するのは当然で、話を聞いた人の中には泣き出してしまう人もいました。
医療は日進月歩だからと慰めの言葉にしかならなくても、つい昨日まで普通に
会話を交わしていた人が遠くへ行くわけがないと無理にでも思いこむしかない
親しかった人たちの思いは一つでした。
でも、現代の医療でも対応できないことはやはりあるわけです。
倒れてから8日目の3月30日に訃報が届きました。
今年の春から離れて暮らしていた息子さん夫婦が近くに帰ってくることになり
とても楽しみにしていたとのことで、悲しくてやりきれない本当にそんな思い
しかありません。寂しさと同時に自分もそんなことになるかも知れない年齢に
近付いてきたのかなという思いもあります。
この歌は岡林信康さんの友人でカメラマンの川仁忍さんがくも膜下出血により
倒れた際に、お見舞いに行った時の気持ちを託した曲です。
皆さんも命を大切にして下さい。
やりたいことは後回しにしないで人生を丁寧に生きて下さい。